頭の中はアマダイの味噌漬け一色だったりした。そういう邪念を抱いて釣りに臨むと、多くの場合がっかりな結果に終わるのだが、アマダイに関しては裏切られなかった。最大45センチ混じりで平均35センチが6匹。飽きるまで味噌漬けを食い続けられる量をゲットした。アマダイ…大好き♪
羽田・かみやからアマダイ船。通常乗合からリクエスト乗合に変わってしまったので、今日を逃すと、アマダイの味噌漬けが遠のいてしまう。天気予報を確認もせず、1週間も前から予約して気合だけは入っていた。刺さり抜群チヌRで仕掛けを作り、ニンニク+アミノ酸パワーを添加する「オキアミ職人」を用意して、9月以来久々のアマダイ。不思議とアマダイ釣りではボウズを食らったことがないので、なんとかなるだろ、なんとかなるはず、なんとかなってくれ~と、船は久里浜(剣崎?)沖へと約1時間の航路。
観音崎を越えた辺りから船が海面を叩くようになってきた。昨日までの強風でウネリは残っているだろうと覚悟はしてきたが、想像していたより海は悪い。海が悪いと…へた釣りは酔う。船が減速したころには胸に酸っぱいものが込み上げてきていた。早くアマダイの顔を見てテンションを上げないとマグロ化しそうな感じ。水深は90メートル弱。船は止まってもグラグラしている。仕掛け投入。着底して底をトントンして鋭くしゃくった瞬間に竿先がグンとしなる。巻き上げ始めると間欠的に引くし重さもある。一投目からアマダイと疑ってなかったのだが…アマダイ特有のあと20~30メートルでひと暴れがない。上がってきたのはエイ。尻尾が短いのでツバクロエイだと思う。それでも一投目から魚の引きを味わえたのでちょっぴり船酔いが治まる。
その後しばらく沈黙。アマダイだけでなくゲストの魚信もない。マメにタナを取り直していると、船の揺れによる上下に加えてひょっとしたら50号の錘が底から吹きあがってタナボケしてる?と気付く。丁寧に底をトレースしてビュンとオキアミが跳ねるように誘い続けるとようやくトラギスが釣れるようになる。底から30センチ以上錘が離れないように粘り続けていると、9時40分にようやくアマダイ!! 30センチを少し切るサイズだが念願の味噌漬けキープ!!
本日の方針はタナは底30センチ以下に決め打ち。底をトントンと5回くらい小突いてビュンと竿を煽るという誘いを繰り返すと、この誘いがどうやらハマったらしく、10時少し前に2匹目ゲット。サイズアップし38センチだったので、引きもまずまず楽しめた。アマダイ釣りは魚信を出せるその日のパターンを掴んでしまえば難しく考えなくても釣れる。10時半にもう1匹追加し開始2時間で3匹目。これも35センチくらいあったので、この時点で味噌漬け食いたいという夢はかなった。
H林達人から「ちょっとは遠慮してくんないと、俺のとこまで魚が来ない」と言われる。「んじゃ、遠慮して釣ります」と答えておいたが、当然だけど遠慮する気は全くない。アマダイの自己記録は4匹なので、あと2匹なら記録更新間違いなし!! こういうときはあっけなく記録更新できちゃうのである。ウネリも収まり釣りやすくもなってきていた。11時10分に1匹追加。その後ちょっと間が空くが12時少し前にさらにもう1匹追加しお昼を前にして自己記録更新。しかもサイズもまずまず。リリースしたいけど死んじゃうから止むなくキープサイズは1匹もいない。味噌漬けだけでなくお刺身と酒蒸しも食べられる♪
正午を過ぎると潮止まりの時間になったのか、アマダイは釣れずにそれまでほとんど釣れなかったゲストばかりが釣れてくるようになる。キダイにアカボラ、ヒメにトラギス。ほかにも針掛かりしないような小さな魚信だけが連発し、オキアミだけ取られているようなことも……。潮が緩んだのでタナを少し上げてみたり、ガン玉を5Bにして仕掛けを張ってみたりといろいろ工夫してみたのだが、アマダイは追加できずに時間が過ぎていく。
船長から次の1回で沖上がりというアナウンスがあり、自己記録更新したし5匹で十分と納得していると、竿先がグッと抑え込まれるような魚信。竿を持ち上げると大きくしなったまま。根掛かり?と思い、リールを巻いてみると巻けるし、竿先を大きく引き込むいい手ごたえ。もしアマダイだったとしたら今まで釣った中で一番大きいかも。あと30メートルくらいになってひと暴れしてくれたので間違いなくアマダイ。「タモ~~~」と叫びながらおよそ100メートル手巻きで巻いて取り込んだのは、45センチのへた釣り史上最大のアマダイ。味噌漬け、お刺身、酒蒸し……ほかにどうやって食べよう。
著者: へた釣り