前回のシロギス釣りでたっくん名人から「聞いているタイミングで魚信を出す」と教わり、早く試してみたかったが冷凍庫にストックしたキスフライを食べきるのに3カ月要してしまった。新山下・広島屋からショートシロギスへ。妻には天ぷら用の秋野菜を買っておいてねとお願いしての釣行。
さつまいも、かぼちゃ、れんこん、なすなど秋野菜といえば天ぷらである。でもって、天ぷらといえばへた釣り家ではシロギスなのである。秋野菜とキスの天ぷら食べ放題を目指す。家族3人でキス天食べ放題なら30匹もあれば足りるので、目標は30匹。今年の東京湾のシロギスは秋になっても上手な人なら束超えしている釣況なので、この釣りに全く自信がないへた釣りだって30匹くらいは…と目論んでの釣行だ。胴突きシロギス釣りの肝と考えることにした「聞いているタイミングで魚信を出す」ことできるかな?
船は定刻に出船し、富津沖へと35分ほど走る。水深10メートルくらいで釣り開始となった。仕掛けは胴突き2本針。軽くキャストしてオモリが着底したらラインを張らずに待つ。10秒待ったらリールを巻いてラインを張って、えいやっと竿を頭上に持ち上げてオモリを海底から浮かす。オモリが再着底したらまたラインを張らずに待つ。10秒以内に魚信があるようなら待つ時間を短くしていこうと考えていたら、運良くちょうど10秒くらいが聞いているタイミングで魚信を出せる待ち時間だった。竿を頭上に持ち上げようとするとプルルというシロギスの手応えがあり、そのまま竿を持ち上げると針掛かりする。出だし好調で一投1匹ペースで釣れ始める。
仕掛けを張り終わり竿を持ち上げ始めるとすぐに魚信が出るのが満点だとすると、リールでラインを張っている最中に魚信があったり、竿を持ち上げ始めてから少し遅れて魚信があったりということも。リールでラインを張っている最中に魚信があったらリールを巻くのは止めて竿をゆっくり持ち上げて優しく聞きアワセるのが針掛かり率がいい気がした。竿を持ち上げてから遅れて出る魚信は竿を持ち上げるのを止めて向こうアワセで穂先を持っていってくれるのを待つのがいいような気がする。聞いているタイミングで魚信を出せるか不安だったが、よく考えると魚信が出る前に竿を持ち上げて聞くんだから、聞いているタイミングでしか魚信は出ようがないと気付く。
最初はラインを張らずに10秒くらいでちょうどいい具合に聞いている最中に魚信が出たが、1日ずっと同じ待ちの秒数で魚信を出せるわけではなさそう。陽が高くなってくると、待ち10秒では魚信が出せなくなってしまった。待ちを長くしていって魚信を出せる聞くタイミングを探すがちょっとペースダウン。15秒待つとイトヒキハゼ(パックンチョ)が釣れるので待ちすぎなんだろうと、10秒に戻すと魚信がなくなる。11秒とか12秒とかそんな微妙な調整を名人さんたちはしているのかな? ペースダウンしたといってもポツポツとは釣れてくれて移動のタイミングで数えると39匹。秋野菜とキスの天ぷら食べ放題は達成である。今年生まれたピンギスも3匹ほど釣れたが、針を飲んでなかったので無事リリース。

時間はまだあるので次の目標を50匹に設定したが、これも短時間でクリアできてしまう。少し前までは25匹釣れればキス天食べ放題で万々歳だったのに、今年の東京湾はシロギスがわいているのか? 広島屋の船長がいいポイントに連れて行ってくれているおかげ? 最後までポツポツ以上のペースでは魚信を出せて、シロギス74匹。自己最多は前回釣行で記録した75匹なので、リリースしたピンギスを合わせれば…と未練がましいことは考えないことにして、聞いているタイミングで魚信を出せればちゃんと釣れるという手応えを掴めた。深い霧の中で迷走し続けてきたシロギス釣りの霧が少しだけだが晴れてきたような気がして、満足♪ でも、なんだかとても忙しくってほぼ無言で黙々と釣っていた。
著者: へた釣り