「老い先短いんだから会いに来るのが一番の親孝行」と言われてから3カ月に一度は大阪の老人向け施設で暮らす母に会いに行くようになった。会いに来いと言うわりにはすぐに疲れてしまい、孝行息子はお役御免。酒飲みに異常に優しい街で放蕩息子になって呑んだくれ&食いだおれ。
母に会いに行っても1時間半ほどたわいもない話をしていると、疲れてしまうのか、それとも飽きてしまうのか、「しんどいからはよ帰り」オーラが漂い出す。それもあって、大阪には1泊して2日に分けて親孝行ができるようにしている。9月はお彼岸なので、母のご機嫌伺いのほかにもう一つ大事な用事がある。お墓参りに行く。といっても、母の住んでいるのが梅田の近く、お墓は難波の近くなので、移動時間を含めても用事なんてすぐに終わってしまう。で、あとの時間は、飲んで食う。
妻からのリクエストで、6月に続いてJR天満駅近くの天満鮨へ。17時までのハッピーアワーはメガサイズの酎ハイが99円で飲めるし、寿司だけでなく、焼き物も揚げ物も全部美味いお店だ。妻曰く「いろいろ行ったけど、ここが最高」なんだそうだ。今回のテーマは秋の味覚を楽しむこと。メガチューハイで乾杯したら、栗の渋皮煮と安納芋の天ぷら。甘味がぱっと口の中に広がって至福のお味。お次にやってきたのが秋刀魚の塩焼き。今年は秋刀魚が大漁とのことでスーパーでも安価に買えるが、焼き具合はお店で調理してもらった物の方が断然いい気がする。脂のノリよく、べたすぎるかもしれないがこれぞ秋の味。さらにちょっと贅沢して松茸の天ぷらなんぞもいただく。中国産の松茸だと思うが、それでも松茸の香りは十分に楽しめた。〆にお寿司までいただいて、お支払いは2人で1万円いかない。
ホテルにチェックインを済ませ、一休み。釣具店などを覗いて時間を潰したら、夕食の時間に。昼は酔いすぎないようにチューハイだったので、夜は日本酒を楽しむ。高知の地酒とお刺身がリーズナブルな価格で楽しめるのがホワイティうめだにある漁師酒場 あらき。まずは漁師盛り7種。この日はハマチ、マダコ、サーモン、甘エビ、マダイ、カンパチ、マグロだった。漁師料理らしくお刺身はとにかく分厚い。でも、この厚さでちょうどよい食感になっている。脂の旨みをしっかり引き出してある。これが1590円で食えるのだからたまらない。日本酒は土佐鶴、酔鯨、司牡丹などの土佐の定番酒だけでなく、四万十や藤娘などここでないと飲めない種類も。カツオの塩だれユッケやアワビの刺身などをいただく。
前日の昼・夜に魚を食べてそろそろ肉などほかの物を…とはならない。秋の大阪の〆は大人気店のすし酒場 さしすへ。まずはレモンサワーとすしやのポテサラで乾杯。ポテサラにはトビコやイクラがかかっている。造り三種盛りはマダイ、ハマチ、サーモンだった。人気の寿司屋のオススメ刺身が不味いわけがない。意外と頼んでいる人が少ない気がするが、本日のかま焼きは絶対に頼むべき一皿。オーダーするとどの魚のかまを焼くか選ばせてもらえる。この日はカンパチがあったので迷わずカンパチ。最後にお寿司。シマアジ、中トロ、マダイの皮ポン酢、ノドグロ炙り。ほとんどのお寿司は2貫ずつのオーダーなので妻とシェアして1つずついただく。2日間でたんぱく質を摂取しすぎた自覚があるので今日から節制する。
著者: へた釣り