2024年のへた釣りは腕は相変わらずだが釣運にだけは恵まれていた。でも、今年の釣運は11月中旬までに使い果たしてしまっていたみたいだ。寒イサキ狙いの久里浜沖コマセ五目はなんともならず大撃沈。多動性には全く不向きな釣りで、久里浜のイサキから絶縁状もらってたの忘れてたよ。
▼声も出演版
京急大津・いなの丸から1年越しで釣って食べたいと望んでいた脂ぶりぶり寒イサキ釣りへ。やっと冬らしくなってきた夜明け前に家を出て、始発を乗り継いで船宿を目指す。当然だが、イサキなら釣れて当然と考えており、ヒラソウダとマダイも釣って久里浜沖の絶品お刺身三種盛りを狙っちゃおうと、釣らぬ魚の刺し盛り妄想を膨らませていた。コマセ五目船は満船で、へた釣りの釣り座は左舷の前から二番目。四隅に近いので釣り座も悪くない。船は定刻に港を出て20分ほど走って久里浜沖の水深40メートルのポイントへ。
船長からの指示は仕掛けは6メートルくらいまでで、タナは2~5メール程度幅がある。指示ダナより下にビシを落とすのは厳禁で、指示ダナの範囲でならどこで待ってもよいとのこと。自分の仕掛けの長さで魚信が出るタナを探せということだと思う。いずれもマダイ釣りで経験のある指示なので問題なくできるはず。タナの下限まで落としてコマセを大きく2度ほど振り出して待ちたいタナにビシを置いて待つ。振り出したコマセに寄ってきた魚を、ビシからこぼれるオキアミと同調した仕掛けで釣るという釣りなんだと思うが……周りでイサキが釣れ始めたのにちっとも魚信がでない。こうなると悩みだす。でも、ビシからクッション1メートル+仕掛け6メートルも離れているオキアミとコマセを同調させる方法をイメージできない。
頑張って大量にコマセを撒くのは下策ということはマダイ釣りで知っている。指示ダナ上限の少し上から下限まで少しずつ誘い下げて誘ってみることにしたが、あいかわらず魚信を出せない。釣れている人を観察すると、魚信が出るまで、ここでと決めたタナでじっと待っている感じだ。それで良型のイサキが釣れている。ならばと、タナでじっと待つ…わけがない。20秒以上じっとしていることができない落ち着きのない釣り人なのである。魚信は欲しいのですご~く我慢してタナで待って、20センチくらいのイサキをなんとか釣った。脂ぶりぶりはサイズ的に期待できない。イサキはあと2匹だけ釣れた。いずれも期待のサイズではなかった。そういえば、剣崎沖のウィリーイサキにハマっていたときもなぜか久里浜沖では全く釣れず、久里浜イサキとは絶縁状態だったのを思い出す。
イサキはちっとも釣れず頭を抱えていると、ソウダガツオの猛攻が始まった。仕掛けを落としている最中にことごとく食らいつかれるというほどに酷くはないが、イサキ狙いの指示ダナでゴンッという感じに穂先が揺れるとソウダガツオ。なるべく周りの迷惑にならないように全力で巻くが、仕掛けは6メートルある。海面で横に走られるとオマツリしてしまう。ならばと仕掛けを5メートルと短くしたのだが、今思うとこれが失敗だったかも。ソウダガツオしか釣れなくなってしまう。ヒラソウダを3匹だけキープして、あとは海にお帰りいただくことに。仲乗りさんが「短い仕掛けはソウダの餌食」と話しているのを聞いて、慌てて仕掛けを6メートルに戻したが、もうちょっと早く気付いていれば……。
な~んの見せ場もなく時間だけが経っていく。あまりにも上手くいかなさすぎてコマセ五目デビュー戦は引退試合になっちゃいそう、なんてことまで考え始めた。1匹でいいから脂ぶりぶりサイズの寒イサキを、できればマダイなんかも釣れてくれないかなと祈るような思いで、頑張ってタナで動かさずに待った。明らかに物が違う重量感と強烈な引きを味わえる魚が食ってきた。マダイ? ワラサ? 暴れ方からしてサメではない気がするので、何かしらいい魚ゲットは確実と思っていた。海面に姿を現したのは。高級魚すぎてその名を口に出すのも憚られる魚だった。30キロには当然満たないのでリリース。お持ち帰りはイサキ3匹、ヒラソウダ3匹で大撃沈。
著者: へた釣り