根周りを吹き流しで攻める釣りに苦手意識があり、足が遠のいていたオニカサゴ。伊豆など魚影の濃い場所でなら勝負できるが、湾奥出船では手も足も出ないという印象を持っていた。そんなわけで超久々に羽田・かみやからオニカサゴ。洲崎沖まで行ってくれたおかげでなんとかなった。
▼声も出演版
最強寒波襲来中なのに防寒着がないという状況だったため釣行予定を立てられず出遅れた。妻が防寒具を繕ってくれて寒くてもなんとかなりそうと分かったのは金曜日。仕掛けの準備を全くしていない。慌てて予約したのがかみやのオニカサゴだった。市販の仕掛けが残っていたし、オモリ150号もストックがある。凪予報で「今季まだ攻めてない一番沖のポイント」へ行ってもらえる可能性が高かったので、久しぶりにやってみるかと思い立つ。片舷6人ずつの12人での出船で、へた釣りは左舷の舳から二番目。舳先には異次元大塚名人。釣れなかったら名人のバケツから魚を強奪できる究極のボウズのがれ席だ。船は1時間40分走って予告通りに洲崎沖へ。
水深205メートルのポイントで釣り開始となった。クロムツなど中深場の釣りでは経験のある水深だが、オニカサゴで200メートル超えは初めてかも。オマツリしないように合図と同時に仕掛けを振り込む。オモリが着底したらエサが海底に落ちるまで10秒くらい我慢し、ゆっくりと竿を持ち上げて近くにいるかもしれないオニカサゴにエサを見せる。竿を下ろしてオニカサゴの捕食層にエサを入れる。オモリを浮かせると吹き上がることがあるので、竿を下げたら必ず底を取り直す。船は潮に乗って流れていくので根歩きしていることになる。魚信は一投目からあったが、オニカサゴのそれじゃない。「サメ感スゴい」と宣言して巻き上げ開始。上の針にサメ、下の針にオニカサゴが付いていた。取り込もうとするとサメの歯にハリスが触れたようでサメはオートリリースで、オニカサゴが残った。30センチを少し超えるサイズで早々とボウズは回避。
ボウズ覚悟と苦手意識があるオニカサゴなので1匹釣れると随分と気が楽になる。次の魚信は2投後に訪れた。今度はサメの邪魔なしなので、オニカサゴらしい魚信の出方と引きを楽しめる。1匹目よりも一回りは大きい。40センチ級と言いたいところだが、40センチには少し足りないオニカサゴだった。開始数投で2匹…これってツ抜けくらいしちゃうやつかもと夢みたいなことを考えたら、サメ地獄に堕ちた。これ以降、魚信は頻繁に出せるもののことごとくサメ。オニカサゴ用のドラグ設定だと、巻き上げが止まってしまう。時間をかけて海面まで巻き上げても海面で針を取られ、時間がもったいないと強引に巻くと今度は仕掛けが重さに耐え切れず切れる。仕掛けがいくつあったも足りない状態だった。持って行った仕掛けはなくなり、船長から1つ、大塚名人から2つもらうことになった。
釣れども釣れどもサメばかりで仕掛けもエサもいくつあっても足りない状態に、船長は移動を決断する。2個所目のポイントは水深105メートル。いつものオニカサゴの水深だ。水深が変わっても釣り方を変えるほど、この釣りを分かっていないので、水深200メートルのときと同じように仕掛けが底から離れすぎないことを意識してマメに底を取り直す。サメがいないポイントだといつものオニカサゴ釣りになった。魚信はほとんどないが少ないチャンスを物にできるように底を取り直しエサの存在に気付いてもらえるようにアピールする。一度目の魚信はオニカサゴにしては迫力不足で、巻いてくると海面に口を開けて浮いてしまった。額にゴミみたいな紐があるヒオドシだった。カサゴの仲間だから美味しくなくても不味くはないと判断しお持ち帰り。揚げて甘酢あんかけにして食べる。
ボウズ覚悟なのに、2匹も釣れたんだから十分かなと、ポイント移動後魚信を出せなくなった自分を慰めつつ、それでも諦めが悪いので小まめに底を取り直す。ヒオドシよりははっきりとした、でもオニカサゴかどうかは自信なしな魚信が訪れた。巻き上げ中の抵抗の仕方でオニカサゴかもとようやく確信する。1匹目より少し小さいが30センチはあるオニカサゴを追加する。ラストは水深170メートルのポイントに移動したが、ここでは魚信は出せずに沖上がりの時間に。名人さんたちはユメカサゴを釣っていたのにへた釣りには混じらず。何かが違うんだろうなとは思うが、3匹釣れたので難しく考えるのは止めて、ばんざ~いって浮かれとく。
著者: へた釣り