初島沖カイワリは初夏から秋は型狙いシーズン。小さくても脂の乗りがよく美味しい魚だが、25センチよりは30センチ、30センチよりは35センチと大きくなればなるほどお刺身で間違いない。30センチ級のデカイワリ込みでツ抜けなんて大それた目標を立てての釣行だったが……笑いが止まらん。
台風23号の速度次第では出船中止もあり得るという状況だったが、当初の予報よりもずいぶんゆっくりとやってくるようで、べた凪予報に変わった初島沖へとカイワリ狙いのプチ遠征。行きの電車の中で宇佐美・治久丸の釣果報告を見ると「潮が速い 潮も澄み過ぎ」なんていう不吉な情報。潮が澄むのはビシが落ちていくのがいつまでも見えるほどに極端な澄み潮でなければなんとかなるが、潮が速いのには対処法がないので、苦戦を予感しながら宇佐美港を目指す。
午前船は一瞬カイワリの食いが立つ時間帯はあったが長くは続かなかったようだ。船長によれば「いい反応は出てますよ、なかなか食ってこないけど」という状況みたい。最も良型への期待度が高い、初島沖の主戦場、水深95メートル前後のポイントに反応はあるそうだ。カイワリがいるならなんとかできるはずと仕掛けを入れてシャクリだすが、魚の気配を感じずに3投。4投目でようやく魚信があったが、20センチに届かない塩焼きサイズ。このサイズでは本命ボウズを解除しても喜べない。お次の魚信はチダイ(ハナダイ)。30センチ級の良型だったがコレジャナイ!!!
潮が速いという状況は午前船同様ですぐに反応が船下から抜けてしまうのか、回り直しが多かった。できることはなるべく船長の投入合図から遅れずに仕掛けを入れることと、魚を連れて遠くに流れて行ってしまうのでコマセを絞ることくらい。なんと9投連続で魚が触れてくる感触なしで暗雲立ち込める展開。14投目でいきなり穂先が海面に突き刺さるような良型の魚信。6シャクリ目だから底から6メートルで食ってきた。30センチちょうどのデカイワリ。デカイワリを釣るという目標はあっさりクリア。次の投入でも魚信があり、小型と中型のダブル。なんだか急に始まった。
毎投魚の気配があるわけではないが、辛抱強くシャクリ続けていれば2~3投に一度くらいの頻度でカイワリの魚信がある。しかも釣れれば全部25センチ超え。ウィリーに食ってこないわけではないが、なかなかダブル以上にはならないので数は伸びないものの、お刺身サイズを3日分釣るといういつもの目標も早々にクリアできた。「一荷になんねぇ~」なんて欲張ったことを言い出す余裕もでてきた。頑張ってシャクれば魚信るというのが、入れパクよりも好きだったりするので非常に楽しく釣りができた。25センチ超がアベレージで30センチ級もときどき混じるのだから笑っちゃうほどに楽しい。
1時間くらい時間を残して25センチ級のダブルでツ抜けを達成し、デカイワリ込みでツ抜けなる、大それた目標を2つともクリアしてしまった。少しずつ陽が傾いて夕マヅメの時間帯に。速すぎて釣りづらかった潮も少し緩んで釣りやすくなってきた。夕マヅメは入れパクボーナスタイムとはならなかったが、シャクれば最後の1投まで魚信を出せた。4匹追加できてカイワリ14匹。うち4匹は30センチ級の良型だった。デカいのから順にお刺身で食べていっても、25センチ級のカイワリで保存が効く干物を作れそう。贅沢すぎんだろっ!!
著者: へた釣り