風が吹く予報で東京湾口より外には行きたくないという日にお世話になることが多いのが、京急大津・いなの丸の午前アジ。ポイントが港から近く半日でサクッと切り上げられる上に、腕利きの船長が下手でもそれなりには釣らせてくれる。寒い時期は尺超えの良型が混じるため気合が入る。
▼声も出演版
電話の予約をしたときに「出船するかどうかは19時にサイトで確認してください」と、言われた。出船するかどうか船長が悩む波風の予報だったのだと思われる。出船中止の告示はなかったので、早起きして始発で京急大津を目指す。都内はほぼ無風だった。予報大ハズレの凪かもと喜ぶ。横浜で京急に乗り継いだが竿とクーラーを持っている人は少なめだった。京急大津の駅に降り立つと…予報通り結構吹いていた。とはいえ10メートル超えということはないので、なんとかなるはずといなの丸受付へ。風でみなさん敬遠したようで釣り人2名での出船。コマセが効くかなと不安だったが、ノブ船長はちゃんといいポイントに案内してくれた。
防波堤に囲まれた港を出ると船がウォブリングする感じ。ポイントまで追い風だったので飛沫は被らずに済んだが船が止まると風の音が凄まじい。波はさほどでもないので仕掛けさえ風に煽られてからませければなんとかなると、注意しながら投入。船長の指示は「2メートルでコマセを振って3メートルで待って」だった。へた釣りはいつも通り、底から1.5・2・2.5メートルでコマセを振り出し50センチ巻いて指示ダナの3メートルで待つ。魚信が出るまでタナでは20秒以上待たずにコマセを詰め替えて魚を寄せる。3投めで魚信があったが、海面バラシ。食いが浅い?
コマセが効いて船下にアジの群れが付いたというより、自分の撒いたコマセにアジが突っ込んできたら釣れるという感じだった。本日1匹目は20センチを少し超える、この海域では少し物足りないサイズだった。口の横に掛かっており針が刺さった穴が大きくなっていたので際どい感じ。次の魚信は、クンクンと穂先を引き込むサイズアップを予感させる魚信だった。巻き上げ中もときどきクンと引いてくれ弱めにドラグを緩めに設定してあるので、巻き上げ速度が少し落ちる。これこれ、これを求めて走水近くまで来たのだよ。海面に姿を見る。尺級の魚影だった。特大ではないので抜いちゃおうとハリスを手繰ると…落ちた。ノブ船長から「タモ使ってね~」と指導が入る。
本日のアジはコマセに狂った感じではなく、なかなか気難しい。魚信が続くかと思えば、さっぱり気配がなくなる。振り出したコマセに突っ込んくるというよりは、コマセの発生源(=ビシ)にゆっくり近づいてきている。タナで待つ時間を40秒くらいまで延ばすと、安定して魚信が出始めた。長く待つことで掛かりどころも少しよくなった気がする。そんな釣れ方だから追い食いは発生せず単発モードだが何投入も連続でコマセを詰め替えるために回収せずには済んだ。25センチくらいまでのアジは抜き上げる。尺級に見えたものはタモですくって丁寧に数を伸ばしていく。一荷が発生しないし、風で仕掛けがからむのをケアするのが面倒なので3本針から2本針の仕掛けに変更する。
後半は魚信はあれど巻き上げ中にいなくなる事案が多発しペースダウン。掛かりが悪いときはタナを少し上げるのが定石だが、タナを上げると魚信が減ってしまうので魚信優先でタナは3メートルを維持。巻き上げ中のバラシが多いのは波で船が上下するからかな? 針数を2本に減らすと一荷が発生するようになったのだからよく分からない。2本針でダブルは2回発生した。沖上がり直前になってアジの活性が少し上がり始めたから? 最後まで入れ食いタイムはなかったが、なす術なしの時間帯もなく、ぽつ~ん、ぽつ~んペースではアジを拾えて終わってみれば21匹。うち尺級が8匹。大アジ狙いを宣言したわりには……な結果だが、食べて美味しいサイズでそろった。
※GoProは相変わらず不調。ちょい時化であれこれ注意することが多かったのに…油断するとすぐに撮影することを止めてしまうカメラの面倒まで見るのはつらかった。
著者: へた釣り