軟体動物恐怖症で小さなタコならともかく腕に触手を伸ばして絡みついてくるサイズのタコが大の苦手なので、エギタコ釣りは年に一度だけ。タコを外したり、袋に詰めるのをサポートしてくれる異次元浅居名人に連れて行ってもらう。今年は東京湾奥のマダコが絶好調で早めの時期に行った。
至れり尽くせり、おんぶに抱っこ、完全介助付きでの釣行である。へた釣りはいつも通りJR蒲田駅からの送迎バスを利用して、羽田・かみやに行くだけ。釣り座も浅居名人が確保してくれている。今回はしゃちょう船長船の左舷舳から並んで釣ることに、最高のお手本を見ながら釣りをできるのだから上達するはずなのだが……。名人というのは素人が真似しようにも真似できない域に達した人たちなのでま~ったくと言っていいほど上達はしていない。人生三度目のエギタコ釣行で覚えていたのは、休まず小突くこととマダコの乗りはビニール袋が引っ掛かった感触に似ているということだけだった。
桟橋を離れた船は羽田空港沖で釣り開始となる。船下はマダコの奪い合いになるので軽くキャストして小突きながら探っていく。1投目から違和感あり。ビニール袋が引っ掛かった感触のようなそうではないような。分からないから竿を持ち上げてみると竿先が曲がって重みが乗る。「乗った~♪」と大喜びしてリールを巻くのを止めてしまいバラシ。当然、浅居名人より「巻き始めたら必ず最後まで巻く」との指導が入る。絶好調という風聞に偽りはなく次の投入でもビニール袋?な重み。今度はリールを最後まで巻き続けて、小ぶりながらも1杯目をゲットする。羽田沖はその後落ち着いてしまい、千葉方向の東沖に移動することに。
東沖でもすぐにビニール袋?な感触があり、2杯目をゲットする。これは自己最多の8杯を更新できちゃうかもという滑り出しだったが、その後なぜかビニール袋の感触まではあるのに掛からなくなってしまう。「タコが小さいので針を突き刺して掛けるというより、ゆっくり引っ張る感じ」と教わるが、掛からない。「掛け損ねたらすぐに落として小突く」とも教わったが掛け損ねたタコはどこかに行ってしまったまま。東沖ではなんとかあと1杯だけ追加できて3杯。自己最多更新なんて夢のまた夢なペースに落ちてしまう。
東沖では結構な時間粘った。最初はあまり根掛かりのないポイントを攻めたが、次第にエギが引っ掛かる感触があるポイントに。へた釣りが根掛かりしそうで嫌だなと感じ始めると、浅居名人が急にペースアップし始める。極めつきがストラクチャの周辺に船が向かったとき。それまで淡々と釣っていた浅居名人が楽しそうに橋脚と橋脚の間にエギを投げ込む。へた釣りも真似して届きそうなときはストラクチャの隙間にエギを入れたが高確率で根掛かりしてしまい慌ててエギを回収する。根掛かり多いポイントに喜ぶ変態さんにはなれそうにないしなる気もない。東沖から移動の合図があった時点で浅居名人は14杯、へた釣りは3杯。
終盤は横浜沖を経由して川崎沖へ。序盤だけ小突けばビニール袋?なタコの感触があったが、中盤以降は小突き方がよくないのか、根掛かりロストでエギを変えたのがよくないのか、怪しいからアワセようかな?ということも全くなかった。唯一もしかしてタコかもと思った重みは海底のゴミで、3杯のまま終了。浅居名人は1杯追加して15杯。4杯分けていただいて、頭をひっくり返して目や口を切るなど下処理をしてもらった状態で7杯お持ち帰り。今年は東京湾マダコでたこ焼きパーティを開催できる。
著者: へた釣り