先週のキダイ無間地獄に続いて今週もあわや地獄に堕ちかけた。シャクれどもシャクれども魚の気配なく大撃沈を覚悟したが、夕マヅメの一瞬だけカイワリのスイッチが入ったようで怒涛の入れパク天国。尺カイワリは混じらなかったが25センチ級のお刺身サイズ込みで16匹となんとかなった。
▼声も出演版
9月初旬以来だから2カ月ぶりの治久丸から宇佐美カイワリプチ遠征。午後船は11時40分集合。伊東線への連絡が失敗して1本後の電車になっても間に合うように余裕を持って家を出る。最寄り駅で小田原行きの電車を待っていると13分遅れのアナウンス。早く出発してよかったとも言えるし、余裕のはずがギリギリになって気分が悪いとも言える。海沿いの東屋で海を見ながらお弁当を食べるのが楽しみなのにその時間はなく、熱海駅のホームで立ったままおにぎりを頬張ることに。予定通りに事が運ばないときは釣果も芳しくないことが多い。船に乗る前から弱気の虫が騒ぎ出す。
予感は的中した。船長から初島沖ではなく噴火口のポイントを攻めると言われる。両方カイワリが釣れるポイントではあるが、尺カイワリの出現率は初島沖の方が高い。初島沖は潮澄みすぎてカイワリが口を使ってくれないんだそうだ。さらに、「食ってくるのはべた底ですよ」というあまり聞きたくない情報も……。あまり低いタナはやりたくないので、いつも通り底3メートルから8メートルまでをシャクるが何も触ってこない。底なら何か食ってくるのかな?と底2.5メートルからシャクると魚信はあったがエソ。すごく幸先悪いスタート。
何かが触れてきたと思ったらすっぽ抜ける。オキアミが付いたまま戻ってきたように見えたので、ウィリーに食ってきたのかなと一瞬考えたが、よく見ると針に付いているのはウオノエ。カイワリの口に針は入ったけど…ウオノエに針掛かりした? ツイてないときはそんなもんだ。キダイがときどき遊んでくれただけで、ほぼ魚の気配を感じない時間帯が続く。ようやくカイワリっぽい魚信が訪れたが…塩焼きサイズの小カイワリ。本命ボウズは回避したものの、狙っているのはお刺身サイズなので素直に喜べない。
そしてシャクれどもシャクれども地獄が始まった。カイワリ釣りのコツは休まずシャクる、これに尽きると信じているので、休まずシャクり続けた。実はカイワリ釣りは、サバでもなんでもいいので魚信があった方が体に優しい。巻き上げ中に休めるからだ。魚信がないと、50センチ刻みでず~っと休まずシャクリ続けることになる。FLビシより2周りほど小さくスリムなちびライトを使っているとは言え、潮が速い中強く鋭くシャクり続けると腕に結構な負荷がかかり前腕が筋肉痛になる。報われると信じてシャクるが…こうも魚の気配がないと、今日はダメなんじゃないかと思わずにはいられない。サバすら釣れず3時間近くただただシャクリ続けた。
ラスト1時間のアナウンス。クーラーの中には小カイワリと南蛮漬けを作るために持ち帰ると決めていたキダイが2匹だけ。撃沈を覚悟したらいきなり始まった。底を3メートル切ってシャクリ始めるとズドンと穂先が持っていかれる。ゆっくり巻いていると追い食いが発生し、重量感が増してくる。なんと5本針にカイワリ5匹のパーフェクト。お次は追い食いせずに1匹。その次も底を切ってシャクリ始めたらすぐに食ってきてトリプル。さらにフォース。シャクれどもシャクれども何もなかった地獄のような時間が嘘のような入れパク天国に。入れパク天国は長くは続かなかったが、その後お刺身サイズのダブルが一度発生して、カイワリ16匹。うち25センチ級のお刺身サイズは5匹くらい。
著者: へた釣り