早い時間に1匹手にしボウズだけは免れたものの…その後さっぱり魚信を出せず。コンスタントに魚信を出せている名人さんたちと何が違う?…おおよその察しはついていても忙しないおっさんは竿を握るとじっとできない。置いてきぼりにされ、多動性を封印。タナ合わせたら目を閉じて待つ。
ゴールデンウィークはキスアナゴ天ざるチャレンジの予定だったが、白内障のせいでシロギスの仕掛けを作れず。さらに釣行可能なゴールデンウィーク前半は羽田・かみやでショートシロギスの出船がないことに気付く。市販の仕掛けを買いに行き、別の船宿でショートシロギスをやってから電車で羽田まで移動する気力が湧かずキスアナゴ天ざるは諦める。代わりに選んだのがマゴチだった。大きな針と太い糸で釣るマゴチなら白内障でも楽勝で仕掛けを作れる。淳ちゃん船長の操船で片舷3人ずつ6人での出船。左舷の舳が空いていたので、かみやでは珍しく四隅で釣れることに。
富津沖の水深15メートル前後がポイントだった。舳は10時までは潮先。前半有利な席なのでスタートダッシュを決めたいところだが、最初の魚信は竿を送って仕掛けを張ってとあれこれやり取りしてもちっとも本魚信に発展してくれない。イカかな?と気付いたが、イカはキープしない(スミが嫌だから)主義なので、エイヤと合わせて見事空振り。潮先のおかげかすぐに次の魚信あり。今度は、少しずつ竿に乗る重量が増していくマゴチらしい魚信。昨年もマゴチを1戦したが魚信なしの完全試合をくらっている。実に2年越しの魚信に、もう竿の胴近くまで曲がってるからアワセていいよねと竿を持ち上げると空振り。へたりこんで天を仰ぐ。操舵室から淳ちゃん船長に「早いよ~」と指導される。
仕掛けは1.5メートルでオモリを底から1メートル切って待つ。待つのは30秒。30秒待って魚信がなければ底を取り直す。オモリを底に着けた状態で数秒待つと、オモリの重さから解放されたエビが元気に泳いで誘いになる…と信じている。2度目の魚信は空振りの2投後に訪れた。マゴチの魚信はついさっき経験している。竿の胴まで重みがしっかり乗るまで我慢して、アワセると決めたら躊躇せずに竿を頭上までしっかり持ち上げる。2年ぶりのマゴチが掛かった。大はしゃぎしているとタモ入れに来てくれた船長から「タモ網に入るまで分からないよ」と窘められる。40センチ級だがマゴチの薄造りにありつけた。
ここまでマメに底を取り直して誘うという釣り方で魚信を出せていたのだが、1匹釣って満足してしまったのか、潮止まりの時間になったのか全く魚信を出せなくなってしまう。30秒ごとに底を取り直すのがうまくいったからそれが正解と信じて休まず誘い続けたが、イカすら魚信ってこない。竿に重みを感じるのはアカクラゲが引っ掛かったときだけ。上げ潮が流れ始めると、左舷艫、左舷胴の名人さんは魚信を出せるようになった。一人蚊帳の外状態に焦れる。焦れると、さらに誘いまくってしまう。一人蚊帳の外になるとき…原因は多くの場合同じだ。名人さんたちは二本竿であまり動かさずに釣っている。分かっていても動いちゃうのが多動性。動かすと、アカクラゲのリスクも増え、弱ったエビをいっぱい持ち帰ることになった。
中盤全く魚信を出せずに、終盤に。さすがに魚信がないことに嫌気がさしてきた。タナに合わせたら目をつぶって60秒我慢することに。60数えたらゆっくり竿を海面に下ろしていって竿が下を向いてもオモリが着底しなければクラッチを切って底を取り直す。我慢して動かさない。動かすときも静かにゆっくり動かすことにすると…長い沈黙を破ってすぐに魚信があり2匹目。その3投後にまたも魚信が出て3匹目。さらにその3投後沖上がり直前にも魚信あり。1匹目が釣れてから16投連続で卦もなしだったのが嘘のように、多動性を封印したらラスト7投で魚信3回。ブザービーターを決めて4匹目のはずが、巻き上げ中にバレてしまった。マゴチ3匹で終了。
著者: へた釣り