LTウィリー五目でし~あ~わ~せ~な気分を味わい、釣ったお魚のお料理でもう1回し~あ~わ~せ~。釣り人冥利に尽きるとはこのことである。カイワリのお刺身、アマダイのお刺身&酒蒸し。高級魚の肴をあてに、これまたちょっぴり贅沢して大好きな日本酒「南」を。し~あ~わ~せ~。
中国の諺である「一生幸せでいたいなら釣りを覚えなさい」ってのが本当かどうかは、釣り歴3年のへた釣りには分かるよしもないが、「一日し~あ~わ~せ~になりたかったら、朝から釣りに行って、夜は自分で釣った魚を肴に飲みなさい」ってのは絶対に間違いない!! いい釣りをして、気分よく釣行記なんぞ書いて、一風呂浴びたら、食卓には妻が料理してくれた釣魚の料理と、室温より少し冷やした日本酒。これ以上にし~あ~わ~せ~な一日は想像することさえ難しい。
問題:この日1つだけ不幸せな出来事がありました。いったい何が起きたでしょう。
答え:右上の写真を撮ったあとにアマダイに噛まれて指から大流血しました(笑) カサゴ持ちするときは魚の歯をちゃんと確認してからにしましょう。
この日のメインの料理は何と言ってもアマダイ。1尾しかいないので、切り分けて3つの料理にしてみた。まずはアマダイの刺身。釣って2~3時間くらいまでがお刺身で食べて美味しい賞味期間ってことだったので、帰ったらすぐに下ろしてもらい、カイワリと一緒にお刺身盛りに。カイワリの脂が乗って蕩けるような美味さと、アマダイの白く上品な甘さがある身は、美味さのベクトルが全く違うので、この二種盛りは大成功! カイワリは生姜醤油で、アマダイはワサビ醤油でもいいが、塩を少しだけ付けて食べると絶品だと思う。
アマダイの料理法で最もポピュラーなのが、酒蒸し。日本料理店で「グジの酒蒸し」と呼ばれている一皿だ。アマダイの身のほっくりとした食感と身の持つほのかな甘みを引き出す料理法だと思う。アマダイのアマは頭部が尼さんの頭に似ているからという説もあるが、その身の持つ甘味を珍重して「甘鯛」になったって方がしっくりくる。自宅で作ったグジの酒蒸し。料理の腕はプロの料理人にかなうよしもないが、釣れたてをすぐに絞めたアマダイで作れば、想像以上の完成度になり大満足の味だった。
★アマダイ(グジ)の酒蒸しのレシピ
1.アマダイを三枚に下ろして切り身に。塩を少しだけ振って10分くらいなじませる。
2.切り身を昆布で巻いてからお酒を適量ぶっかけ、蒸気の立った蒸し器の中へ。臭みとりの生姜などは釣れたてのアマダイにはいらない。お好みで旬の野菜を入れていっしょに蒸してもOK。
3.10分ほど蒸せば完成。もみじおろし入りのポン酢で食べればし~あ~わ~せ~。
もう1つ。アマダイといえば、椀ダネとしても最高なのだが、34センチのアマダイをお刺身と酒蒸しにして家族4人で分けると、当然だけど身は残っていないので、中骨や頭に残った身を使ってアラ汁に。これがまたくどい魚の脂を持たない(人によっては上品すぎる?)アマダイのアラ汁なので、最高のすまし汁感覚で楽しめるお椀になった。内臓と鰭以外に捨てるとこなしで、丸々1匹楽しめてしまった。アマダイはこれ専門に狙う船に乗ってもいいかもってほどに美味な魚だった。
せっかくいろんな種類を釣ったのだからほかの魚も、少しずつだけどその日のうちに食べた。オキメバルは定番の煮付けに。いつもはゴボウを一緒に煮るのだが、旬なのでタケノコを一緒に煮てみたら、これが超美味。最近、煮付けばかり食べているが、ノーマル醤油バージョンと山椒醤油バージョンを1日おきに食べている。山椒醤油バージョンは、煮付けはちょっと飽きてきたなと思ったときに手放しでオススメ。シロムツは天ぷらにした。目が大きくて深海魚っぽい外見だったが、お味の方は悪くない。ふんわりと柔らかい身を天ぷらの衣で包んで食べると食感的にも◎。
そんな美味しいお料理と一緒に楽しんだのが、「南」という日本酒。少し高めで東京では常時入手できるわけではないので、常使いのお酒というわけにはいかない。何かうれしい&美味しい魚が釣れたとき用に720mlを1本冷蔵庫にキープしてある。へた釣りが好む高知のお酒の淡麗辛口で、日本酒の香りが口の中から鼻に抜けていくような味わいという特徴を残しつつ、主張し過ぎないバランスになっているので食中酒として楽しむのに極上の日本酒だ。
著者: へた釣り