こうなればいいなと思ったことが全部望んだ通りに。年に何度かなんてレベルではない。一生に何度あるのかな?ってバカツキ釣行だ。2016年の剣崎沖イサキの最終戦で自己最多を大幅に更新。狂ったようにシャクりまくり、釣りも釣ったり171匹。ウリンボでクーラーが溢れそうになる。
剣崎沖のイサキは8月末で禁漁となる。週末釣行組のへた釣りにとっては泣いても笑ってもこれが最終戦。できれば笑って終わりたいものだと、超ショート仕掛けを用意し、前夜のカワハギ地獄の閻魔大王様の懇親会では飲みすぎないように注意し、何としても今年も束釣りを達成して気分よく2016年のイサキを終えたかった。金沢八景・一之瀬丸に到着してみると……予想通り席札の残りは少なかった。毎年8月最後の週末はイサキとの別れを惜しむ人たちが釣行するので船上は混み気味になる。本日も左舷は7人、右舷は8人とちょい混み状態。ソウダガツオに走られるとオマツリだらけになる予感に束が厳しいかもと少し弱気になる。でも、不思議といい席が空いていた。へた釣りの釣り座は左舷の艫から2番目。右舷は胴まで埋まっているのにどうしてこんないい席が残っていたのかは謎。これが最初のラッキー!!
船は定刻に桟橋を離れ剣崎沖へ。松輪の根のイサキ船団は先週より少し船の数が多い。入れ食いという感じではないが、ポツポツとは船中にイサキが取り込まれているのが見える。イサキ釣りは初めてという人が多く、船団の手前で瀧本船長のウィリーシャクリ教室が開かれる。船長に教わった通りに竿を操作し、船宿仕掛けを使えばイサキは間違いなく釣れるのだが、教わった通りの釣り方をしない人の方が多いのがイサキ釣りの謎である。へた釣りの右隣3人組もイサキ初挑戦だった。ソウダガツオを寄せるオキアミを使っていたし。底付近で大量にコマセを撒かれると束チャレンジは終わりだなと思っていたが、コマセを撒くという気力もあまりない人たちのようで、置き竿でぼんやり。コマセを撒かれるとこちらの釣りに影響があるが、ただ竿を出して座っているだけに等しいので邪魔にはならない。これが本日2つめのラッキーだ。
8時20分に釣り開始。指示ダナは「20メートルから15メートル」。50センチ刻みでスティ時間を長くしたり短くしたりして魚信が出るシャクリ方を探す。シャクった直後にウィリーに魚が触れてくる感触はある。針掛かりしやすいのはスティ1秒くらいかな?とあたりを付ける。仕掛けは全長1.4メートルの超ショート仕掛け。この日のイサキは一番上の針に掛かってくることが多かった。なかなか追い食いが発生せず単発で取りこむことになるので数を伸ばせない。それでも途切れず魚信は出せる。開始1時間で20匹くらい。束ペースには乗っている。超ショート仕掛けは確かにソウダガツオの餌食になる確率がノーマルの仕掛けより低いと感じた。来季からはソウダの回遊が始まったという情報に接したら超ショート仕掛けを必ず持って行くことにする。
10時くらいに最初のポイント変更。おそらくソウダを嫌ってのことだと思われる。タナは「18メートルから14メートル」になった。ここで予想外の失速。右舷ではイサキの一荷なども発生していたようだが、左舷では釣れども釣れどもマルアジばかりで、イサキは何かの間違いでたま~に混じるだけ。気は急くが急いたところでどうにもならない。このポイントでの1時間は時速10匹以下のペース。束は相当厳しいなぁ~と少し諦めかけていた。
再度ポイントを移動する。ここから怒涛の快進撃が始まった。ポイント移動してしばらくするとイサキの活性が抜群に上がってくる。タナでシャクればすぐに魚信があるし、3本針に3匹の針数釣りが発生するようになる。針数パーフェクト率が高いので、4本針ならどうだろうと針数を増やしてみたら4本針でもパーフェクトが十分に狙える。針間を短くし4本針だけど全長は1.8メートルという密集仕掛けを用意していたことが功を奏した。休みなくシャクリ続ける。バケツにイサキが溢れ始める。ゴンズイ玉どころではない。酸欠?でイサキが弱り始めていることに気づいてはいたが時合を逃すのが惜しいのでクーラーに魚を移す時間を惜しんで釣りまくる。さすがに限界かとクーラーに魚を移したのが12時ちょうど。85匹いた。
残り時間を考えると目標であった束超えはほぼ間違いなし。自己最多記録は昨季の最終戦で記録した116匹だが、これも更新できるのはほぼ確実。いくつまで数字を伸ばせるかの戦いになってきた。シャクれば魚信は出る。1匹で巻き上げるのは時間のロスなので、小さく鋭くシャクってコマセをこぼすようにして追い食いを発生させる。基本はダブル以上で上手くいくとトリプル、フォースが発生する。超ショート仕掛けのおかげでソウダガツオの邪魔もほぼない。14時になったころには再びバケツの中がイサキだらけで酸欠状態に。クーラーに移しながら数えると75匹。85匹+75匹なので14時の時点で160匹。沖上がりまであと1時間あるので、2束も射程圏内になってきた。
イサキの活性はすこぶるよい。タナも少しずつ上がってきており15メートル前後でバンバンあたってくる。これは2束いったかなぁ~と内心ほくそ笑んでいると船長から残念なアナウンス。「14時半には上がっていきます」。風が強くなってきていたので30分ほど早上がりになるみたいだ。え~~~っと思ったが自己最多記録を大きく塗り替えることに成功したわけでこれで文句をいっては罰があたる。結局、沖上がりまでに追加できたのは11匹だけで171匹で終了。25リットル入るクーラーが溢れそうになる。そんなに釣ってどうするのって? イサキフライにして来年の6月までに食べ切るよ。
著者: へた釣り