引きこもってパソコンの前でキーボードをカチャカチャと弄っていることが多いが、ごくごくたまに出張に行ったりも。1年以上ぶりに広島県呉市の倉橋島へ。昨年は島の旅館に泊ったが周りに飲食店は1軒もなく、飲み歩きが旅の楽しみなのにすごくつらかった。今年は呉市街に宿を取った。
生まれ育ちが大阪なので、瀬戸内海がどんな海かは知っているつもりだったが、瀬戸内海といっても大阪寄りと山口寄りとでは海の様子が全く違う。入り組んだ島々の間を急流が流れる広島近辺には好漁場が多いらしく、マダイにキジハタ(アコウ)、シラス(チリメン)など食べてみたい魚の情報がいっぱい。飲み屋で刺し盛りをあてに呉の日本酒をと目論んでいたが、目の前の海で魚が獲れる呉の夜の街では、魚よりも焼き鳥などの方が人気のようだ。お刺身も食べられる焼き鳥屋に行ってきた。
取引先の社長には去年は穴子天丼しか魚が食べられなかったので、今年はとにかく魚を食べたいと伝えてあった。ならばと、広島に着いたその足で連れて行ったもらったのが、お刺身食べ放題の店、し~らすAQUA。魚屋さんが経営しているお店のようで、店先には生け簀があり、マダイやハマチ、ヒラメなどが泳いでいた。小さめのマダイが1匹200円、小さなアカムツが150円で売られていた。食堂が併設されており、お刺身食べ放題定食がいただける。天ぷらや焼き魚などを追加できるが、食べ放題なのでお刺身のみをたらふくいただくことに。

釜で炊かれた白米と味噌汁、小鉢(ポテサラだった)が運ばれてきたら、お刺身を取りに行く。お刺身はマダイとハマチ、サバ、サーモン、エビ、貝類。ほかにサラダや釜揚げしらす、くぎ煮などが食べ放題だった。さすがに食べ放題のマダイやハマチは天然ではなく、養殖物っぽかったが2000円以下で食べ放題なので文句はない。全種類少しずついただいて何をおかわりしようかなと列に並んでいると、登場したのが生しらす。当然、おかわりは生しらすをたっぷり取って、生しらす丼に。生しらすだけで2000円の元はとった気分♪

夜はレンガ通りという呉市の繁華街にある鳥八茶屋というお店へ。へた釣りは呑兵衛の集合知を信じており、酒好きが酒好きに勧める地域の一番人気店にハズレはないと思っている。呉の飲み屋の一番人気店が鳥八茶屋だった。店名の通り、焼き鳥がメインのお店だが、店内に大きな生け簀があり、大アジやカワハギが泳いでいた。突き出しはナマコ酢。この店の名物らしい鳥皮のみそ煮と呉のお酒、雨後の月を注文し、刺し盛りがやってくるのを待つ。みそ煮はぷるぷるとした食感の皮をやさしいお味の白味噌がくるむ。雨後の月はやや甘口で飲みやすいタイプのお酒だった。

刺し盛りは天然マダイ、カンパチ、カツオ、サーモン、サゴシと玉子焼き。マダイとカンパチは絶品だった。地魚でなにかないかとメニューをみるとメバルの煮付けを発見。今年は煮付けサイズが1匹も釣れず、食べられていなかったのでこれを注文する。運ばれてきたのは尺級メバルを1匹煮付けたものだった。煮汁は薄味で上品な味付けで、メバルの身のほっくりとした食感と甘みを楽しめる。2杯目のお酒は華鳩。こちらもやや甘口で食中酒にちょうどよい。〆に広島といえば、食べておきたい穴子の蒲焼きを頼んで、大満足。

取引先の社長と別れて、ホテルまで歩いていると、目に飛び込んできたのが川沿いの公園でやっていた屋台。この日はラーメン屋台と鉄板焼きの屋台が出ていた。広島に来たら食べておきたい物がもう1つあったのを思い出す。お好み焼きだ。目の前に店が開いているのに素通りはできない。というわけで、屋台あしあとで肉玉そばとがんずという練り物が入った呉餃子なる餃子をあてに酔い覚ましの緑茶ハイを3杯ほどいただく。大阪も広島も、お好み焼きはどの店で食っても美味い!!
著者: へた釣り