日本近海に台風が3つもありウネリがトンデモないかもとビビっていたが拍子抜けするほどの凪だった。船上は空いていた。席にも恵まれ、束釣りのチャンスと意気込んだが……肝心のイサキのご機嫌がすこぶる悪い。追い食いは全く発生せず、74回巻き上げて78匹。束よりも疲れたぁああ!!
テレビを見れば太平洋上に台風が3つもあり、海や山のレジャーはご注意なんてことを言っている。一方でGPVの波風予報を見ると釣行を躊躇うような予報は出ていない。むしろ凪の予報。どっちを信じるかって? いつも見ている方を信じるしかない。金沢八景・一之瀬丸から今季7戦目のイサキ釣り。台風情報にビビって釣りを取りやめた人は多かったようで、電車にクーラー持参組はほとんどいない。船宿に着いて席札を確認すると左舷は艫から2席埋まっていたが舳が空いていた。ウネリで釣りにくい?とは考えない。電車釣行で四隅の席に入れることなんて滅多にないことなので迷わず席札を取る。
右舷4人、左舷3人での出船となった。剣崎沖へと向かうが、ほぼ無風で波もなし。台風の影響どころか凪倒れが不安になる鏡面のような海を船は進む。空いているし波を被る心配もなさそうなので釣り座にゴロリと横になる。気温は夏のままだが雲の様子はだいぶ秋っぽくなってきている。剣崎沖のイサキ船団は盛期を過ぎた感じで船の数も少なく船団と呼ぶには少々寂しい感じになっている。何隻かの船が集まっている根の付近で船は止まり釣り開始。指示ダナは「20メートルから15メートル」。
数釣りシーズンなので仕掛けを投入して数シャクリするとすぐにウィリーに魚が触れてくる感触がある。が、なんだか様子がおかしい。竿先をフルルと揺らす小さな引きこみはあるのだがなかなかグンッとは引きこんでくれない。なんとか針掛かりまで持ち込めたら、追い食いを期待してゆっくり巻いたり、小さくするどくシャクってみたりするのだが追い食いが発生するどころか最初に針掛かりしたはずのイサキがいなくなる。魚信はあるけれど苦しい展開。1匹ずつ丁寧に釣り上げていくしかない。開始1時間で15匹くらいと魚信の回数は少なくないのに、追い食いなし、バラシ多数でちっともペースが上がらない。
いくつか対策を打つ。まずはクッションを外し、ウィリーに触れてきたイサキを積極的に掛けに行く。仕掛けの全長を短くして海中で張った状態を維持しやすくしバラシにくくする。この作戦でなんとかペースアップして11時に第1回目のイサキのゴンズイ玉をバケツに完成させる。クーラーに移しながら数えてみると44匹。3時間の釣果なのであと少しペースアップすれば束釣りも狙えそう。気合を入れ直してシャクり続ける。単発ではまずまず以上のペースで拾えるのだが追い食いはあいかわらず発生しない。ソウダガツオの邪魔も始まり、巻き上げ中にイサキがソウダガツオに化けるようになりなかなか苦しい。
苦しいながらもなんとか束をと頑張り続けた(ご飯も食べず、写真も少ない)が、予期せぬ不運に見舞われる。エンジンの調子が悪くなりあさなぎ丸に曳航してもらいながら釣ることになった。ほかの船に曳航してもらって帰港したという経験はこれまで2度ほどあるが曳航してもらいながら釣りをしたのは初めてなので楽しかった。二流しほどでエンジンは直り、仕切り直し。この時点で71匹。残り時間を考えるとあと29匹は少々厳しいがいい群れに当たって追い食いが発生すれば釣れない数ではない。でも…ここで2つめの不幸。「(台風に備える)荒天準備のため少し早上がりします」とのアナウンス。1時間ほど早上がりとなり78匹まで。
束チャレンジは来週に持ち越し。ほぼ途切れることなく魚信はあったのにダブルが発生したのは4回だけ。追い食いさせるのに成功したというよりもたまたま同時に食ってきてのダブルだと思われる。74回イサキを付けた状態でリールを巻いたというのは過去最多かもしれない。束釣りをしているときはダブルが基本でトリプル、フォース混じりである。魚信はほぼ途切れなく出せていたし針掛かり率も改善策で向上した。追い食いが狙える程度にイサキの活性が上向けば束は十分に狙えるという手応えは得られた。
著者: へた釣り