湾フグ行っとけば…タチウオだって行けたかもとほかの魚のことばかり考えていたのだからアジにしてみれば気分が悪かろう。見事なまでの低活性で魚信少なめ、魚信はあれど食い込まず、巻き上げ中の行方不明多数で大撃沈。じっとできない多動性中年は八景アジに弄ばれて鬱積する。
カワハギ師匠から湾フグのお誘いがあったのに断ってしまった。風が強くフグの微細な魚信を取れる自信がなかったからだ。朝起きて、外に出てみるとほぼ無風でこれなら湾フグどころかもっと沖に出るタチウオにだって行けたかもと詮なきことを考えてしまう。タックルを詰め換えて釣り物を急遽変更するだけの気合も時間もないのに……。金沢八景・一之瀬丸の午前LTアジへと向かう。アジならそこそこ釣れるだろうと高を括っていたらきっちりお灸を据えられた。7匹だけ……八景沖の自己ワーストだ。
先週、午前LTアジに N村達人ご夫婦が乗っていたので挨拶にいったが、その日は釣り座に余裕がありあまり混んでいる風ではなかった。今日は強風予報もあり、さらに空いているのでは?と思っていたがとんでもなかった。左舷は11人で満員御礼を通り越して釣りづらそう。釣り座は左舷の前から2番目。一之瀬丸は艫寄りから席が埋まっていく傾向があり、舳近くは電車で行っても空いている。一番前でなかったのは、一段高くなったお立ち台席にあとから人がやってきたから。アジはコマセが効きやすい胴がいいとされるが、船が混んでいるときはオマツリが怖いので四隅に近い方が有利だ。この時点では釣果に何の不安も抱いていない。目標は控えめに15匹に設定したがそれくらいはいって当たり前だと思っていた。
本日のLTアジのもう1つのテーマはスティーレ100PGの入魂の儀。100XGはマゴチで入魂しメバル大会で入賞をもたらしてくれた。100PGも縁起よくスタートといきたかったが、そんな期待は裏切られる。右隣の人にサバがかかる。左隣の人にもサバ。間に挟まれたへた釣りのラインは両隣の天秤に巻かれてしまい高切れ。天秤&ビシをロストと幸先悪いスタートとなった。100PGで最初に釣った1匹は超小型のカサゴ。2匹目はサバ。3匹目もサバ。4匹目でようやく……。
アジの活性はよくない。あまり激しくビシを動かすと魚信がでない。ベタ底から30センチ刻みでフワフワとコマセを振りながら誘い上げてくる。5回撒いたら50センチくらいスゥーと竿を持ちあげて魚信を待つ。150センチ+50センチだからタナは200センチ(2メートル)。最後の50センチをコマセを撒かずに持ち上げるのは仕掛けの一番上の針まで天秤から80センチあるから。コマセと仕掛けが同調しているイメージはできている。魚信もある。なのに、魚信はあってもちっとも針掛かりしない。食い込むまで待ってダメ、仕掛けを張るために竿を持ちあげてダメ、鋭くアワセてダメとなす術なし。1匹目のアジを手にするまでたっぷり1時間くらいかかってしまう。その後もマメにコマセを詰め替えて振り出していたので魚信はポツポツとあるにはあるのだが……掛からない。無理やり掛けると巻き上げ中にいなくなる。
アジ相手にここまで苦戦を強いられるとなんだか泣きたくなってくる。ポツンポツンとアジを拾えている人は、タナでじっと待っている。あまり竿を動かさずコマセをビシに残した状態でじっくり待った方が釣れるということは想像できたが、想像できたからといってできるとは限らない。船上でじっとしてられない人なので待つことができない。ものすごく我慢しても20秒が限界。それ以上待っていると釣っている気分を味わえないから楽しくない。最後まで修正できず(修正せず?)アジは7匹止まり。じっと待ってないと釣れない日のアジは本当に苦手だ。待った方が釣れると分かっているのにどうして待てない?と聞かれたら…多動性だから仕方がないとしか答えようがない!?
著者: へた釣り