ベイブリッジ周辺で釣れるアジ(通称:ベイブリアジ)は6月になるとラード状の脂を蓄えて最高に美味いと聞いたことがあった。妻に次は6月に釣りデートしようねと話していた約束を果たしたわけだが、前日の雨の影響かベイブリアジの機嫌悪くなかなか気難しかった。でも、二人で83匹♪
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二連続で束釣りを達成し妻のお気に入りの船宿、新山下・粂丸からベイブリアジチャレンジ。妻は二度あることは三度あると束超えする気マンマンだったが、世の中そこまで甘くはない。最近の粂丸の釣果を見ると、束釣りしている人もいる一方で、スソの数字は伸びていない。超人級の人なら束を狙えるが、へた釣り夫婦風情ではなかなか厳しそうだった。それでも船中真ん中くらいは狙えるはずなので、40匹くらいずつを目標にしようと話しながら元町・中華街駅を目指す。釣り座は予約時に確保できるので右舷の大艫から並びで。オマツリしにくい特等席だ。
船で準備をしていると、仲乗りさんから「厳しいですよ」と説明を受ける。同じタナでずっとやっていても魚信は続かない・魚信はあってもなかなか掛からないので竿を送るくらいのつもりで・ビシを激しく動かすとアジがいなくなるので注意という釣況らしい。おまけに前日の雨で潮がよくないと船長が嘆いていた。何一ついい情報に接することなく、ベイブリッジ近くのポイントで釣り開始となる。タナは高めまで探ってとの指示がある。様子見でタナ3メートルから4メートルで始めてみたが、なかなか最初の魚信を出せない。妻が船中1匹目を釣りあげたものの、後が続かない。反応はあるというが…反応があっても釣れないときが一番難しい。
タナを広く探るという指示だったので、ライン引きのように小刻みにコマセを振り出しながら少しずつリールを巻いている人が多かった。へた釣りはというと、コマセを1.5・2・2.5メートルで振り出して3メートルで待つといういつもの釣り方で開始し、タナで20秒待って魚信がなければ、コマセを振り出しタナを50センチずつ上げていく。1匹目を釣るまで少し時間を要したが、何度かコマセを入れ替えているうちにぽちぽちとは始まった。といっても船下にアジの群れが付いているわけではなく、気難しいアジが気まぐれなタナで急に食ってくる感じ。同じタナでは魚信は続かないという情報通りだった。
へた釣りの左隣の名人がタナを決めずに小刻みにコマセを撒いてアジに口を使わせるという釣り方で成功していた。名人とへた釣りで釣れるペースが全く違うので、釣り方を真似しようとするが、名人のすぐ横で付け焼刃が通用するはずもなく上手くいかない。一方でタナでじっと待つ(ビシを激しく動かさない)作戦の妻に魚が掛かると、アジ釣りなんだから寄せたいタナで頑張ってコマセを撒くのが正解な気がし始めて腰が定まらない。どちらかの釣り方に極振りできず迷走した結果が、タナで待っていては魚信を出せず、タナを探ると針掛かり率が著しく悪くバラシも多数。気難しベイブリアジに翻弄されて攻略できる気がしなくなってくる。
どこに行っても釣況は代り映えしなかったようで、移動は一度もなし。タナで待ったり、タナを探したりしながら、ポツポツとアジを拾っていく感じだった。それでも裏切らないのが粂丸である。へた釣りは48匹で、タナで待っても魚信らない&タナを探ると掛からないと悩んでいたわりにはまずまずの釣果。コマセを振り出してタナに合わせたら辛抱強く待つという釣りを続けた妻は35匹。二人合わせると83匹。十分すぎる釣果に、反省しない反省会で盛り上がる。
著者: へた釣り