理由は分からないが外房や東京湾口でなら釣れるのに城ヶ島以西ではアカムツが釣れない。9戦して1匹も釣れていない。クロムツなど中深場の美味しいお土産があるとはいえ、本命ボウズがここまで続くと呪いである。深場の勇者様いわく「釣れるところに行ってないから」とのことで…。
伊豆のアカムツ釣りの聖域(サンクチュアリ)が稲取沖であるらしい。魚影が濃く本命と出会える可能性が高いだけでなく、釣れるアカムツのサイズがいいしメタボぞろい。稲取沖のアカムツを食べると他所で釣れたアカムツが物足りなくなるんだそうだ。へた釣りとしては城ケ島以西で“アレ”が釣れれば、もうそれだけで大満足。良型がよいとか、脂の乗りがぁなんて選り好みをする気は毛頭ない。なんとしても1匹釣るが目標だった。深場の勇者様と前泊して朝4時半に稲取港へ。I垣名人たちと合流して、安貞丸から稲取沖のアカムツへ。4人での仕立てなので、釣り座は四隅。へた釣りは左舷の大艫で釣ることに。
20分ほど走るとポイントに到着する。水深は300メートル前後。アカムツ以外の魚の魚信を欲しがらないをテーマに捨て糸なしの胴突き2本針の仕掛けで底近辺をネチネチ攻めるという方針。2本針なら投入にストレスなし。オモリが着底したら1メートル底を切って枝スがなじむまで20秒待って1メートル巻き上げてここでも20秒ほど待つ。頭上に竿を持ち上げて落ちてくる餌を見せて20秒待ち、更に竿先を海面に向けてオモリが着底しなければここでも20秒待ってから底を取り直す。オモリが着底したら1メートル巻いて最初に戻る。食わせの間をしっかりとって誘っていると、はっきりガコッガコッと竿を揺する魚信あり♪ ドキドキしながら巻き上げ開始。巻き上げ中もときどき暴れる手応えがあり。海面に姿を表したのは35センチくらいのアカムツ。2017年から始まった城ケ島以西で“アレ”が釣れない呪いは、稲取沖の第1投で呆気なく解呪に成功。しかもまずまずサイズで聞いていた通りのでっぷり体型。
すっかり気をよくして第2投。2投目でもはっきりと竿をガコッと揺するような魚信あり。巻き始めるといい感じに抵抗するのでアカムツサイズアップの予感。船長からも「アカムツっぽい魚信でしたね」と言われてすっかりその気になっていたが、赤くない。35センチ級のクロムツ。アカムツに比べればクロムツなんてという人もいるが炙り刺しで赤黒食べ比べができるのでうれしい。続く3投目でも魚信がある。今度も竿を揺するような魚信ではあったが前2回に比べ迫力不足で、これまた35センチくらいのカゴカマス(≒スミヤキ)。お次は穂先に違和感ありで巻き上げると25センチくらいのユメカサゴ。このサイズなら喜んで持ち帰る。
深場の勇者様&船長によると最初の3投目くらいまでは潮がしっかり流れていて、いかにも釣れそうな海だったそうだ。次第に二枚潮になっていき、船の四隅に陣取って釣りをしていてもオマツリが発生するように。魚信もなかなか出せなくなってしまう。それでもなんとか竿先ガコッな魚信あり。巻き上げ中もほどよく抵抗してくれるが……ゆっくり巻きすぎたかオマツリ。バレないかとひやひやしたがなんとか無事に取り込めた。30センチくらいと満足サイズのアカムツだったが、深場の勇者様いわく「稲取沖では珍しいサイズとのこと」。ちなみに深場の勇者様は45センチ級を、I垣名人にいたってはアカムツ初挑戦で50センチ級を釣りあげていた。
その後は正直ぱっとしない展開に。ゲストを含めほとんど魚信がなく250号のオモリをぶら下げての筋トレに励むことになる。たまに釣れるのはユメカサゴのみで、小さいものはリリースし、20センチくらいあるものだけを持ち帰ることに。魚らしい引きを楽しませてくれたのはサバとサメだけだった。序盤を除いて船中沈黙しているなかI垣名人だけがポツポツとアカムツを拾っていきアカムツ5匹。タナなど教えてもらったが、どうしてI垣名人だけ釣れたかは不明。日頃の行いと血中尿酸値はI垣名人よりへた釣りの方がよいはずなのだが……。
著者: へた釣り