不本意なってことは自信あったの?とツッコまれそうだが、メバルといえば春の癒しの釣り物である。大漁は望みようもない釣況ではあったがボウズをくらうとは微塵も考えていなかった。せっかく用意した特餌を忘れ、風速3メートル以下の凪のつもりが船グラグラなプチ時化で…体幹訓練。
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夜メバルは魚影が濃い猿島沖で始まる6月まで我慢するつもりだった。なのにである。注文してあったシラウオ&イサザが届いて早く試してみたくなる。さらに新山下・広島屋の夜メバルが出船確定していた土曜の夜は、風速3メートル以下の凪予報。特餌持ち込みでメバルを狙いやすい凪なら何匹かは釣れるだろうと釣行を決めた。15時前に家を出て元町・中華街駅を目指す。最寄り駅の改札を通ろうとして、最初のしくじりに気付く。今日使う分小分けにしていた特餌をクーラーに入れ忘れた。取りに帰ると集合時間に間に合わない。特餌の実験は断念。楽しみにしていたのでちょっとではなく、相当凹む。
16時少し前に船宿に到着すると、右舷の舳が空いていた。左舳が特等席だと思われるが右舷の舳も根に早く乗るので悪い席ではない。石井船長いわく「この3年メバルは厳しい」とのこと。「混ざる程度だって覚悟しといてね」と言われる。メバル釣りでカサゴも本命とは考えないことにしているので、3本針で一番下の針はオモリから70センチの位置から出している。これならカサゴはほとんど釣らずに済む。この時点でもまだなんとかなると思っていた。でも、桟橋を離れてポイントを目指すうちにこれは厳しいかもと気付く。凪のはずが風が吹いており海が悪い。船長から飛沫被るので注意とアナウンスがあるプチ時化だった。
ポイントは水深10メートルくらいのゴロタ場。オモリを底から少し離してゆっくり誘いあげてゆっくり落とし込んでメバルにアピールするという釣りをするつもりだったが、船がグラグラ揺れており、仕掛けを海中で落ち着かせられる海ではない。こういう時はオモリを底に着けてややマイナステンションに。波で船が持ち上がったときにもオモリが底から離れないようにしてメバルが食ってくるのを待つ。このとき船べりに体を預けずに体で船の揺れを吸収する。ときどき大きく竿を持ち上げてアピールを兼ねてオモリを置く場所を変える。船中カサゴが釣れたとのアナウンスあり。すぐ右隣でもカサゴが釣れた。カサゴは本命ではないとへた釣りはメバル狙いを続けるが……。ラインが斜めになって仕掛けが寝たタイミングで本日最初の魚信あり。カサゴでクーラー空だけは回避。
その後もしばらくカサゴは本命じゃないとメバル狙いを続けるが、肝心のメバルの魚信が全くない。船長の操船で仕掛けが斜めになったときにカサゴがごくたまに食ってくるだけという焦れる展開。出船は17時15分でまだ明るかったのでメバルは陽が落ちてからかな?と捨糸を20センチ詰めて50センチにする。枝スは40センチなので針が底を擦らないメバル・カサゴ両狙いの設定だ。捨糸を短くしたことでカサゴの魚信が増えた。いいポイントに入ると連荘することもありお土産確保に勤しむ。暗くなる前にお持ち帰りサイズのカサゴは12匹。これだけいれば十分なので捨糸の長さをメバル狙いの70センチに戻す。
ここからがつらい時間帯になった。海は悪いままなのでオモリを底に着けて小刻みに根歩きしながらメバルが食ってくるのをひたすら待った。ベイブリッジの下や横浜港のストラクチャー近くなどいかにもメバルが潜んでそうなポイントにも行ってもらえたのだが……メバルの魚信はついぞなかった。暗くなってから魚信は二度だけ。仕掛けが斜めになったときにカサゴが食ってきた。メバルの気配を感じることなく21時に沖上がり。へた釣りの腕では、本牧以北のメバルは狙って釣れる魚ではなくなってしまっている? 次回夜メバルは猿島沖でチャレンジする。
著者: へた釣り