アイテム不足だと倒せないボスっているよね。アカムツもそうなんじゃないかと……。宇佐美・治久丸への弾丸プチ遠征。両手にアカムツとアラを持ち、真の伝説始まると宣言するつもりだったのだが世の中甘くない。もしかして?という魚信は何度かあった。巻き上げ中にことごとくバラす。
あまり根を詰めずに次に深場で釣りをするのは9月にアカムツでと考えていた。でも、勇者様からキンメダイをいただいて気が変わる。アコウダイ、キンメダイとくると、深場釣りの3大ターゲットの残る1つ、アカムツも食べておきたくなった。5月の最終週は釣行プランが決まってなかったので急遽、宇佐美まで弾丸プチ遠征。7時ごろ家を出て、午後船に乗って夜9時ごろ家に帰ってくる。荷物を抱えて電車で伊豆まで往復なんて大変と思われがちだが、朝早くないし車の運転をしないで済む分、実は楽なんじゃないかと。帰りの東海道線は熱海始発のことが多いので座って帰れるしね。
宇佐美駅から港まで徒歩15分ほど。ここのところ7月並みの気温といわれていたのですっかり夏の海を期待していたのだが、この日は曇天で暦通りに梅雨が近いことを感じさせる。凪いでいる。港へ通じる道の入り口にある公園で写真を撮っていたら、午前はカイワリで出船していた治久丸が帰ってくるのが見えた。船長いわく「カイワリまだだねぇ~。船中4匹!!」とのこと。剣崎沖のイサキで煮詰まったらカイワリに転戦するつもりだったが…。午後船の釣り客は2人。予定時刻より少し早く出船する。
船は初島の方向へ向かう。キンメ釣りで聞いたことがある初島沖ってのがこの辺りのポイントなのかな? 水深は270メートル。5センチくらいのサバ短とホタルイカの筒を取った物を両方付けて仕掛け投入。3本針だし、仕掛け長さもそれほど長くないので落ちついてやれば大丈夫。底を取って「アカムツは誘いが命」と聞いていたのでゆっくり頭上まで竿を持ち上げ底を取り直してクワセの間を10秒から長くても20秒くらいという竿の操作を手持ちで繰り返す。これは背筋と腕のいい筋トレになるなぁと考えていたら船長から指導が入る。「あまり誘い過ぎない方がいいですよぉ~」。え~~~~!!である。どうやら東伊豆のアカムツに誘いすぎはよくないらしい。
魚信は結構ある。向こうアワセのはずなのだがちっとも針掛かりしてくれない。あれ? あれれれれ? である。ハリスを長くして針掛かりしない問題は解決しているはずなのだが……。船長から2つめの指導。「その竿はちょっと硬すぎますね~」。船長の竿(2.4メートルでワラサ用)も、もう一人の釣り客の竿も少し長めで胴寄りのムーチング調子。へた釣りの竿は北海道五目用に買ったディープゲーム120-180なので200号のオモリをぶら下げて竿先がちょっとおじぎをするだけ。魚信を弾いているような気がしたので捨て糸を少し長くしオモリを着底させてゼロテンションで食い込ませるようにするとなんとか魚が釣れ始めた。まずはシロムツを3本針に3つ、クロムツもゲット。釣り初めて1時間ほどで白、黒とそろえて残るは本命の赤だけになった。
針掛かりしないのはゼロテンションにして魚信があれば少し送り込むようにすればなんとか対応できたが、「硬すぎますね~」な竿のせいで巻き上げ中のバラシが多発した。今度こそアカムツ!?といういい魚信は何回かあった。巻き上げ中にときどきいい引きこみをみせる。暴れっぱなしではないのでサメではないと思う。海面間近や残り50メートル以内まできてフッとテンションが抜けて……ことごとくバラシ。そのたび船長から「針あります?」と確認されたのだが針は残っている。アカムツは口が柔らかい魚で外れやすいとは聞いたことがあるが…。カゴカマス(≒スミヤキ)などは外れずに上がってくるので……逃がした魚はアカムツ? ただし、勇者様によると「アカムツなら針にエサが残っている」そうなので…違うか!?
というわけでクーラーの中はギンギンギラギラ白いのばっかり。クロムツ&カゴカマス(≒スミヤキ)は炙り刺しにすれば絶品だし、シロムツは天ぷらやフライで揚げれば美味しい魚ではあるが、ノドグロと呼ばれる最高級魚のアカムツとこれまた超高級魚のアラを両方持って帰るつもりだったのでちょっぴり残念な釣果。竿を買って出直すつもり。深場伝説はアイテム不足でボスを倒せず1回お休み。アカムツはたぶん船中ゼロ。
著者: へた釣り