400メートル先の海底から竿先に伝わってくる明快な魚信。太い竿を曲げる重量感。抵抗は少しずつ弱まっていく。やがて重量感すらなくなり海面に赤いシルエットが浮きあがる。大きなアコウダイがまず1尾、その下にも中型が2匹。レイズ・ザ・アコウダイズの成功だ。勇者様の指導に感謝!!
深場の勇者様ことモテK名人にご一緒していただいて金沢八景・一之瀬丸からアコウダイ釣りに初挑戦。道具はレンタル、仕掛けは勇者様お手製の物を使わせてもらってというおんぶに抱っこな釣りだった。深場釣りの魅力を熱く語り、理路整然と釣り方を説明してくださった勇者様には大感謝である。アコウダイが3匹釣れたというだけでなく、深場釣りで気を付けるべきことがいくつか見えてきたように思う。あれだけ苦戦したクロムツでもオニカサゴでも、深いところにいる魚が今なら釣れるかもってな気分になっている。収穫の多い釣行だった。深場伝説はじまっちゃったかもよぉ~~~~!
アコウ船は総勢13人と大盛況。勇者様は右舷艫、へた釣りは艫2番目に入れてもらえる。レンタルしたタックルにはダイワのタナコンブルというリールが付いていた。ダイワのリールなら操作の仕方が分かるのでなんとかなりそう。ポイントへの移動中に掛け枠への仕掛けの結び方を教えてもらう。やり方は分かったのであとは迷わず正確に結べるように練習するだけ。一之瀬丸のアコウダイ釣りは海底が切り立った崖にようになっているポイントを狙うのでマメなタナ取りとオモリの位置を少しずつずらしていく根歩きが大事と説明を受ける。同じ場所で待っていても釣れないと考えるのが重要みたいだ。
400メートルくらいの水深のポイントで釣り開始となる。仕掛けの投入は多少のもたつきはあったが失敗して1回お休みとはならずになんとかなった。底も問題なくとれる。できるかな?と不安だった2つはクリアできた。マメなタナ取りと根歩きができればアコウダイを1匹くらいはゲットできるかも。勇者様の竿に早速魚信。少し遅れてへた釣りの竿にも竿先をガコガコと揺らす明快な魚信が出る。アコウダイかも!!と喜んだが引きすぎるし途中で抵抗が弱まらない。勇者様にはサメとギスの一荷。へた釣りにもサメ。吻が扁平してとがっているのでヘラツノザメかな? 左舷では3点掛けでアコウダイが上がっていた。
巻き上げ終えたら次の投入に向けての準備。2回目の投入で着底直後に奇跡が起きた。糸吹けをとってオモリを再着底させた瞬間に竿先が3度、4度と大きくお辞儀をする。根掛かりが怖いので50センチくらい巻き上げてみるとすぐにもう一度竿先が引きこまれる。「それは本命でしょ!」と勇者様に言われたらバレるのが怖くなってこれ以上は我慢できない。巻き上げる。巻き上げ中何度か抵抗するがどんどん引きこみは弱くなっていく。最初はドラグが滑るほどの重量感があったのにバレた?と心配になるほど軽くなっていき残り50メートルを切ると竿はほぼ一直線になる。そして、レイズ・ザ・アコウダイズ。一番上の針には良型。その下に中型が2匹ついていた。あまりに興奮して海面に浮いた写真を取り忘れた。代わりにアホ見たいに大はしゃぎしている写真を撮っていただく。ボウズもありと覚悟していたのにいきなり3匹ゲット。はしゃぐなって方が無理である。「深場伝説はじまったぁ~~~」とブログでならともかく船上でもほざいているのだから実におめでたい人である。
へた釣りの面倒をみるのに忙しく自分の釣りに集中できていなかった勇者様だが、へた釣りがアコウダイを手にしたことでようやくミッションから解放されたようで、そのあとの快進撃はすごかった。この日は9回仕掛けを投入できたのだがほぼ毎回確実に魚信を出している。すぐ横でへた釣りは魚信を出せずに苦戦。「潮が動かないときほどこまめなタナ取りと誘いが大事」と教わる。同じようにリールを操作しているつもりなのだが……勇者様の竿には魚信バリバリ、へた釣りの竿はほぼ沈黙。レベルの違いがはっきりと出た。何かが違うんだろうが何が違うのかまでは分からなかった。魚がいるところに仕掛けがたまたま入ったのではなく、魚がいるところまで自分で餌を運んで魚信をだせるようになるのが次回釣行の課題だな。でも、ボウズも十分にあり得る東京湾のアコウダイ釣りでマグレとはいえ3匹もゲットできたんだから反省するのは後日にして、本日はエッヘン、オッホン、ドヤッ!!
著者: へた釣り