八景沖の熟々メバルにたっぷり癒される予定だったのに、現れたのはロリメバルばっか。ちびっ子でも頻繁に釣れてくれればそれなりに癒されもするのだが魚信が遠い。つぶらな瞳の魚に「た…退屈そうにしてたから釣られてあげたんだからね。とっとと逃がしなさいよ」と言われ続けた1日。
昨年、一度だけ挑戦し本命ボウズをくらった金沢八景・一之瀬丸の八景沖メバル。負けたままでは面白くないのでリベンジしてきた。天気は曇りで午前中はベタ凪予報。メバル日和を選んで釣行したわけだが、朝、家を出ると小雨が降っている。竿とクーラーで両手がふさがっているので傘を差せず肌寒い想いをしながらトボトボ歩く。船宿に着いてしばらくすると雨は止んだのであるから何とも間が悪い。席札を確認するとなぜか左舷舳が空いていた。
船は10分ほど走って八景沖のポイントに到着。船長からの指示は「オモリを底につけてとにかく動かさない。少しタルマセるようなつもりで魚信を待って」だった。指示通りに穂先が沈むか沈まないかというゼロテンション状態で魚信を待つ。海は凪でゼロテンションを維持するのは楽勝と思っていたのだが、潮が恐ろしく速い。ラインがすぐに艫方向に鋭角的に入っていく。竿を少し持ち上げてオモリを置き直す。何度かそれを繰り返すとラインの角度が修復不可能になり仕掛けを回収するの繰り返し。
魚信はさっぱりない。メバルってこんなに魚信が遠い魚だったっけ?とブツブツ文句を垂れてみても魚信が増えるわけではない。じっと我慢の釣り。最初の魚信があったのは釣りを始めて40分経った8時15分ころ。メバルっぽい魚信の出方ではあったが…さっぱり引かない。12センチのメバルだった。続けて2匹目も3匹目も4匹目も……魚信は出るようになったのだがキープできるサイズはちっとも釣れてこない。キープは15センチ以上と決めているので、際どそうな物は計測してみたのだが、嫌がらせのように15センチに届かない。
10時半ごろのバケツの中はこんな感じ。1匹まともなサイズのメバルがいるように見えるが、実は21センチしかない。ほかのが小さいのでスケール感が狂っているだけだったりする。11時少し前に23センチのカサゴを1匹追加し、キープできたのはメバルが4匹とカサゴが2匹だけ。リリースしたのはメバルが5匹とカサゴ2匹+オニカサゴ1匹。2015年のメバル開幕戦もキープできたのは8匹だけだったが、18センチ以下をリリースした結果。本日は15センチ以上はキープしようと計測までしてなんとか6匹である。南本牧や川崎のシーバースのメバルに比べて八景沖のメバルは小型なのかな?
八景沖のメバルは苦手かも。根の荒いポイントなら10秒に一度くらいの頻度で誘いを入れながら釣ることができるし、誘っている最中にメバルの魚信があることが多い。八景沖は底が砂泥で所々に小さな根がある感じ。誘っても魚信は発生せず、可能な限りゼロテンションを維持するという待ちの釣りになる。はっきり書いてしまえば、どうにも退屈なのである。かといって竿を動かすと魚信が減るので退屈だからといって竿を動かすわけにはいかない。もっと高活性で魚信の頻度が高い日に当たれば退屈ってことはないのだろうけど……。
船長が最初にアナウンスしたプランでは1時間だけイシモチ釣りをやる予定だったのだが、魚信がちっともないので、予定を早めて11時にはイシモチ釣りにリレーした。アオイソメが配られる。メバルと同じ仕掛けにチョン掛けして、オモリを底に着けて魚信を待つ。魚信があっても食い込んで竿が大きくしなるまでアワセない。グングンを竿を引き込む引きは面白いのだが、へた釣り家では食味という点であまり人気がない。釣り上げると胃袋が口から飛び出てしまうため、持ち帰りの数量制限はないが、たくさん釣ると「こんなにどうするの?」と言われてしまう魚である。
沖上がりの13時までの2時間。あまり根を詰めずに釣ったのだが、あまり真剣に釣らないくらいがイシモチにはちょうどよかったのかもしれない。底付近でフワフワと誘いを入れてからオモリを着底させて待つと、飽きない程度のペースで釣れ続ける。中小サイズ混じりで15匹釣った。少しでも美味しく食べたいので釣ったらエラをハサミで切って血抜きをしておく。専門で狙う船もあるくらいなので、美味しく食べる、少なくとも「どうするの?」と言われない食べ方があるはずなので、せっかくだからいろんな料理法を試してみるつもり。
著者: へた釣り