釣りの上手な人は釣れる条件の日を選んで釣行すると本で読んだことがある。釣れる条件が分かってれば苦労せんがなっ!!と著者にツッコミたくなったが、釣りの入門書なので潮回りの解説が書いてあるだけだった。メバルに関しては釣れる条件が少しは分かってるつもりだったのに……。
2月、3月の低水温期のメバル釣りの条件は、重要度順に「水温」>>>「曇り」 >>>>>>「凪」>「潮」であると考えていた。小雨混じりで曇り、ベタ凪、水温11度とメバル爆釣条件を満たしているつもりだったロリツンデレのデレ抜きメバルに癒されねぇ釣行で、メバル4匹(+リリース5匹)と貧果に沈む。この日はへた釣りが乗った船だけでなく、ほかの船も軒並み苦戦していた。考えられる原因は……大潮で潮が速すぎたから? 潮周りが大きい日はメバルは避けるべきかも。
2月に解禁される魚なので水温が低くても釣れるだろうというのは間違い。メバルだって寒い日はエサを食わずにじっとしているのである。東京湾でメバルがそれなりに元気なのは水温が10度くらいまで。10度を切ると途端に釣れなくなる。東京湾の水温が10度を切るのは、積雪があり、雪解け水が流入している期間だけのような気がしている。雪が降ったらその後2、3日はメバルは諦めて、水温の推移を観察する。10度まで戻れば大丈夫だ。また、水温が急に高くなると爆釣チャンス。冬場の東京湾の場合、北風の強風が吹いて風が収まると水温が1度、2度上がるので、北風強風後は水温に注目する。
4月になり海の色がミルクを入れたコーヒーのような色になるまでは、曇り空がメバル爆釣の絶対条件だ。海中が暗くなるとメバルは急にエサを追い出すようで、釣っている最中に、晴れから曇りに空模様が変わると急にメバルが食い始めたという経験を何度かしている。晴れている間は、底べったりに潜み、カサゴと同じように目の前を通ったエサにだけ飛びつくメバルが海中が暗くなると、途端に底から離れて、浮いているエサに食らいついてくる。追い食いが成功し、ダブル、トリプルを狙えるようになるので、メバル釣りに行くなら曇りの日に限る。これは間違いない。
「メバルは凪を釣れ」という口伝があるくらいだから、この釣りを始めたころはメバル爆釣の一番重要な条件と考えていたのだが、ベタ凪じゃなくてもなんとかなるかな?と考えなおしている。すごく波が高い日はメバルが浮いてこないという傾向はあるが、船べりに体を預けずに波による船の揺れを体で吸収し、揺れに合わせて竿を上下させることで海中の仕掛けが不自然に動かないようにできるのなら、ベタ凪にこだわることもない? ただし、ストラクチャーに寄せて釣る場合は返し波があるので、仕掛けをゆっくり動かす、止めるときはピタッと止めるのにすごく神経を使うことになり、癒しの釣りにはならない。大会などで日程が決まっている場合を除けば、やっぱり釣行するのは凪の日を選ぶのが正解だね。
良型のカサゴは潮回りの小さい日には釣れにくいということを知って、大潮ならメバルだけでなくカサゴの良型もと考えたのだが、潮が速すぎると、今度はメバルの食いが極端に悪くなることを知った。船宿の釣果報告を確認すると、メバルは潮回りが大きすぎない方が釣れるという傾向がある。魚釣りは中潮の日がちょうどいいと言われるが、メバルに関してはもっと潮の動きが小さい小潮、若潮、長潮が狙い目になりそうだ。潮回りが大きな日はカサゴも狙って下針の位置を下げて、潮周りが小さい日はメバル1本勝負で下針の位置を上げてという仕掛けの使い分けもありかもしれない。
爆釣条件での中でも重要度を低くみていた「潮」。大潮でも大丈夫だろうと考えたのが失敗だった。人間は1つくらい条件を外していても大丈夫だろうと考える。魚は1つでも条件が気に食わなければ口を使ってくれないってことだ。>記号を使って釣れる条件の重要度を考えていたへた釣りが間違っていたってことだね。でも、曇りで水温が安定してるか上がっていて、凪で、潮回りが小さい日……そこまで条件を決めちゃうと釣りに行ける日がなくなっちゃうような……。
著者: へた釣り