キンメムツ、LT深場五目に続く中深場チャレンジは金沢八景・一ノ瀬丸からオニカサゴ。東京湾口ではいい目に遭ったことがない釣り物だが洲の崎~沖の瀬まで南下すればなんとかなると信じていた。潮めちゃ速で釣りにくすぎる。唯一のまともな魚信は残り30メートルで痛恨のバラしで…。
ヤリイカ船に乗ったとき出船ギリギリの到着になって準備が慌ただしかった。洲の崎や沖の瀬まで行く船は出船時間が早いのかもと反省し、東海道線下りの始発で横浜へ。横浜から京急に乗り換えて金沢八景を目指す。席札を確認すると四隅は埋まっていたので右舷艫から二番目に釣り座を決める。右舷は5人での出船となる。横との間隔は十分にあるのでオマツリの心配もなく集中して釣れると喜んでいたのだが……。船は観音崎を越え、剣崎を越え、大島がうっすら遠くに見える沖の瀬へ。水深200メートルくらいのポイントで釣り開始となる。
エサは船宿支給のサバ短。海中でアピールするように一番下の針にはオレンジのタコベイト、真ん中の針には青のキラキラタコベイト、テンビンから直接出す一番上の針には「まだら発光」「檄臭」に釣られて買ったダッピーホタルイカを付ける。仕掛けを投入すると、途中までは素直に落ちていくのだが中層あたりからラインが鋭角に流れていく。底を取って10秒待って50センチ刻みで竿を持ち上げて誘うといつの間にか5メートルくらいオモリが底を切ってしまっている。右舷はラインが船下にどんどん潜っていくので極めて釣りにくい。おまけにフグ。ヨリトフグ(ミズフグ)が海底に群れているようでエサとタコベイトをスパッと噛み切られてしまう。
潮がそういう状況なのでどうしても底べったりを意識せざるを得ない。オモリが着底したら底を切らずに仕掛けが底に着くのを待つ。エサが底に着く前にオニカサゴが捕捉してくれて食らいついてくるのが理想だが、そこまでの魚影も活性もない。オモリを底に置いて15秒待って聞きあげて、2メートルくらい持ち上げてもう一度底に落としなおす。この繰り返し。潮が速く抵抗がすごいのでいい筋トレになる。本日最初の獲物は赤サンゴ。この塊を巻いてくると既に腕がオパンパンに。その後、20センチを少し超えたサイズの小オニを2匹釣るが25センチ以下はリリースルールに則ってリリースする。小オニとはいえオニカサゴは釣れたので釣り方は合っている?
船長は潮が速くないポイントに移動してくれるが生体反応がほとんどなく苦戦。潮の速いのは我慢して結局元の場所に戻ったり、新たなポイントを探してみたり。何度か魚信はあったが、釣れてくるのはヨリトフグ(ミズフグ)ばかり。ほかにはアカトラギスを1匹スレ掛かりで掛けただけで黙々と筋トレに励む時間帯が続く。そして本日二度目のハードワークのお時間が訪れる。赤サンゴ付きの岩よりは抵抗なく上がってきたがそれでも十分に重かったのは18センチプラヅノがグッチャグチャに絡まっている塊。それも150号のオモリのオマケ付き。イカ釣りって高切れすることあるんだと初めて知る。
本日のハイライトは沖上がりの時間が近づきボウズを覚悟したころだった。本日、最初のガシッと手元に感じる明確な魚信。一呼吸おいてなんて余裕はなかった。針掛かりを早く確定させたくて即アワセ&追いアワセ。しっかり竿に重みが乗りこれで獲ったも同然のつもりだった。巻き上げ中も間欠的にいい暴れ方をする。オニカサゴなら40センチ以下ということはない手応えに「筋トレは裏切らない。最後までやり切った者は報われる」とにんまり。残り50メートルで一暴れし、これはもうオニカサゴ確定とフェイスカバーの下は既にドヤ顔。残り30メートルでもう一暴れしたときブルルという嫌な手応えを残して……バレた。ラスト一投でユメカサゴが釣れたがこれもリリースして、クーラー空っぽで帰ることに。
著者: へた釣り