何をしに行ったのかよく分からない。沖のウィリー五目にようやく行けるはずだった。ちょっと風は強かったけど何とかなるさと思っていた。なんともならずに出船中止。釣りをせずに帰りたくないのでメバルを釣ることに。でも、メバルは釣れなかった。イシモチだけがちょっとだけ癒してくれた。
嫌な予感は前夜からあった。風の予報を見ると→が赤い。風速13メートル以上ってこと。金沢八景・一之瀬丸の沖のウィリー五目はスポット出船だったので、随分前に予約してしまっている。朝起きて確認したサイト上でのステータスは「出船確定」のままだった。洲崎沖は無理にしても保田沖辺りまでは行けるってことかな?と家を出る。京急の品川駅に着いてみると嫌な予感がさらに大きくなる。いつもの週末ならクーラーを持った釣り人がたくさんいるのに……今日は誰もいない。
Facebookに「嫌な予感(T.T)」と書き込んで電車に乗る。上大岡を越えたあたりで「一ノ瀬丸さんにいますが、ヤリとウィリーは中止」とのコメント。あっちゃ~!! やっちまったぁ~! 船の上でやっちまったぁ~と頭を抱えたことはよくあるが、船に乗る前からあっちゃ~!! 今さら引き返せない。船宿まで行ってみるとウィリーは情報通り出船中止。「アジ、マゴチ、メバルなら出船する」とのこと。マゴチは自分の道具でやりたいのでなし。アジかメバル。アジなら午後船もあるからメバルにすることに。道具一式を船宿で借りた(乗り換えなので無料)。長さ330センチのメバル竿。メバル竿でメバルを釣ってみたいなぁ~と思っていたら、思わぬ形で希望がかなった。
船は15分ほど走って八景沖の水深30メートルのポイントへ。いつものように錘が着底したら20秒に一度くらい竿を大きく頭の上に持ち上げてゆっくり落として誘う。竿が胴調子なので操作しにくい。底は岩礁というより砂泥っぽい手ごたえ。魚信は全くない。1時間ほど頑張ったけど一度も魚が餌に触った感触がないのであるからどうしようもない。ここで船長から教育的指導。「竿を動かすのは逆効果。錘を底に付けて少したるませるくらいでいい」とのこと。いつもとポイントが違う、竿が違う、船長が違うと違うことだらけ。やっていることに自信がなくなっていたので、船長の指示に従うことに。一度だけ魚信があったが、これだけ竿先が曲がれば大丈夫だろうと竿を持ち上げると針掛かりせず。竿が違うが一番の敗因かな。
メバルはご機嫌ななめだったようで、10時少し前にお土産確保にイシモチ釣りに釣りもの変更。風のあたりが少し弱くなるポイントへ移動した。どうやらここが風裏のポイントらしくたくさんの釣り船が集結していた。メバルの仕掛けのまま餌だけアオイソメのちょん掛けに変えての釣り。イシモチも向こうアワセなので、少しラインがたわむように緩めて待っているとメバルとは違いすぐに魚信が出る。十分食い込ませて聞きあげると竿先が大きく曲がる。柔らかいメバル竿なのでどんな大物が掛かったのかと驚くほどに曲がるが、20センチくらいのイシモチである。
魚信があればうれしいし、竿がいい感じに曲がってくれるので楽しいのだが、ここで問題が。イシモチという魚はへた釣り家では一二を争う不人気魚。あまりたくさん持って帰ると怒られる。でも、これしか釣れないし、釣ると浮き袋が口から飛び出してしまうのでリリースもできない。あまり根をつめずに釣って10匹。不完全燃焼なので、午後アジにリレーしようかと一瞬考えたが、風はどんどん強くなってきていたし、慣れない道具でアジまで不発だったらヘコみそうなので午前船だけで帰ることに。エキサイティングカワハギダービーの賞品を受け取って帰路につく。今日は釣りに行ったんじゃなくて賞品を受け取りに行ったってことにしとこう。
著者: へた釣り