雨は降っても午後からで雨が降るまで風は強まらず凪、最高気温は21度という予報だったはずなのだが、9時には雨が降り出し風も吹き始める。十分な防寒をしていなかったので体感だと真冬の釣りよりも悪条件。「竿を置くな、置いたらホゲるぞ」と自分を励まし、良型クロムツ2匹ゲット。
今思えば、朝から天気予報通りではない感じだった。家を出ると少し肌寒く、もう1枚服を着ていくかどうか悩んで、気温が21度まで上がるなら不要と判断した。LT深場五目は全釣り物中最も荷物が多く、服1枚でも無駄になりそうな荷物は減らしたい。JR蒲田駅からの送迎を利用して羽田・かみやへ。ゴールデンウィーク初日ということで、スーツケースを持った旅行出発組と夜通し飲んでいたグループで電車は混んでいた。一方で雨の予報のためかクーラー持参の電車釣行組は1人見ただけ。受付を済ませると受付番号10番。ゴールデンウィークにしては空いている。
淳ちゃん船長が療養中のため、本日の船長はギャンブラーしゃちょう船長。「アカムツ狙いの時間も作る」とのことで、餌はコノシロの身餌とホタルイカが配られた。さらには「これを使って」と仕掛けを一組いただく。枝ス4号くらいの歯の鋭い魚が多い深場の釣りでは少し頼りない仕掛けだが、チャマ名人によると「東京湾のアカムツは細い方が食いがいい」んだそうだ。ポイントは久里浜とのアナウンスがあり、1時間半走る。水深190メートルのポイントで釣り開始。
アカムツの釣り方…実はよく分かっていない。外房ではなんとなく釣れているが潮がかっ飛んでいて底を追いかける以外に何もしていない。東伊豆では何戦かしたことがあるが1匹も釣ったことがない。東京湾口では数匹釣ったことはあるがクロムツ狙いで何かの間違えで釣れただけ。今回もクロムツと同じ釣り方でやるしかない。枝スの長さ分ずつストンストンと落として誘う。あまり浮いていないそうなので、底から2メートルくらいを50センチずつ落として誘ってみたが……ドンコが1匹釣れただけで久里浜をあとにする。
このころから少しずつ雨が強くなってきており、船が走ると猛烈に寒かった。次のポイントは富浦沖の水深240メートル。船長によれば「アカムツもクロムツも実績のあるポイント」とのこと。釣り方の分からないアカムツは素直に諦め、底8メートルくらいからストンストンと誘ってクロムツを狙ってみることに。第1投目でいきなり大きな魚信。落として底にオモリが着いたと同時に竿先がというより竿全体がガコガコ揺すられる。巻き上げ中の抵抗も間欠的でいい感じ。海面に姿を現したのは…アラ? コアラでもまぁよしと喜んだが、水圧変化に強く目玉も胃袋も飛び出していない格好いいクロムツだった。35センチくらいの炙り刺しサイズ。
底近辺がいいのかと探る範囲を狭くしたらリリースサイズのユメカサゴばかり釣ることに。もう一度上からやってみようと8メートル底を切ると微小な魚信があり、シロムツがダブル。お次は底を切って1誘い目で明確に竿先ガコッ。タナが高めだししっかり針掛かりした雰囲気だったので追い食いを狙うが不発。横の人とオマツリしながら取り込めたのは、1匹目よりは少しだけ小さいが良型のクロムツだった。このサイズをあと2匹で家族分と欲張ったことを考えたら釣りの神様に嫌われた。誘えども誘えどもな時間帯に。雨風はどんどん激しさを増し、釣りを続けるのがかなりつらい。それでも最後まで竿は置かず、シロムツ1匹とユメカサゴ(ギリキープサイズ)を追加して沖上がりの時間に。
著者: へた釣り