魚がくれる釣り方の最高のヒントは魚信である。東京湾で毎年何戦かしているオニカサゴ釣りは魚がなかなかヒントをくれず、釣れても偶然釣れたという以上の手応えをつかめないでいた。深場の勇者様からお誘いいただき、富戸・庄吉丸より初めての夏オニカサゴ釣り…笑いが止まらん。
勇者様に深夜に迎えに来てもらって、東伊豆の富戸港へ。当初はオニカサゴ釣りの予定だったが、アカムツの模様がよさそうならアカムツも釣りたいということで、アカムツ・オニカサゴリレーに。極鋭 コンセプト ゲームP HHH-205AGSのメインの対象魚がアカムツとオニカサゴなので両方釣れたら右手にアカムツ、左手にオニカサゴ、口には極鋭という釣り人冥利に尽きる写真を撮ってやろうとを考えていたが……。5時少し前に港に到着すると船長は既に準備して待ってくれていた。大慌てでタックルを準備して、日の出とほぼ同時に出港する。
まずはアカムツから。水深200メートル以深のポイントなのでしばらく走るのかなとのんびり構えていたら、ものの数分走っただけで船は止まる。富戸沖はドン深になっているようだ。外房で実績のある仕掛け&サバ短+ツボ抜きホタルイカで釣り開始。伊豆のアカムツは浮いていることがあると聞くので底から4~5メートルを誘いながら探る。極小魚信でまずはシロムツ。続いてカラスザメ。底近辺にはカラスザメが群れており、仕掛けを底に近づけるとこいつらの餌食となる。1時間くらいで3個所のポイントを攻めたが…アカムツを釣りなれている勇者様の見切りは早かった。期待薄なのでオニカサゴに切り換えることに。本日も伊豆のアカムツには相手にされずに終了。伊豆のアカムツ…いつになったら顔を拝めるんだろう?
オニカサゴも港からすぐ近くの水深100メートルくらいのポイントで釣る。勇者様からダブルスナップサルカンをお借りして30号のピカイチくんを120号のオモリと接続した。ピカイチくんのおかげか、魚からのコンタクトは多い。迫力のある魚信ではない。勇者様がリリースサイズのオニカサゴを何匹か釣っていたので魚信の正体はたぶんそれ。ようやくちょっとこましな魚信があり、キープするかどうかで悩む25センチ前後のオニカサゴ(フサカサゴ)。船長ジャッジで取り合えずキープ。その5分後に今度はしっかりと竿先を曲げてくれる魚信。巻き上げ中も重量感があり断続的に暴れて抵抗する。40センチくらいの東京湾でならこの1匹でもう満足サイズをゲットする。勇者様も40センチ超えの良型をあっさりゲットし、順調な滑り出し。
2匹目を釣って魚信の出し方が少し見えてきた。2メートルほど底を切った位置からオモリを落とす。餌はオモリ着底後も0~20秒くらいかけてゆっくり海底に落ちていくと想像して、オモリを着底させたまま15秒待つ。オモリを底なら離そうと竿を持ち上げリールを巻くと巻いている最中に魚信が出た。落下中にオニカサゴが餌を咥えて、仕掛けが張ったら魚信になっていたと思われる。小型を1匹、30センチ超えの中型を1匹追加したのち、それの魚信が訪れた。竿を持ち上げようとすると根掛かり?という手応え。穂先に生体反応あり。持ち上げきれなかった竿をリールを巻きながら海面に戻し、もう一度えいや!と持ち上げると、魚の暴れる感触が伝わってくる。底を切ってからは重量感はあるものの意外と大人しかったが、海面にその姿を見た瞬間、「おおっ!」って以外の言葉がでなかった。47センチ(計測:勇者様)の自己最大のオニカサゴをゲットする。
富戸沖はオニカサゴの魚影が抜群に濃いのか? たまたま活性がすごく高い日にあたったのか? ピカイチくんのおかげか? 釣行データが今回しかないので理由は定かでないがその後もとにかく絶好調。35センチ級を中心にご立派サイズのオニカサゴが順調に釣れ続ける。終了間際には35センチ級のオニカサゴのダブルなんてもう一生こんなことはないのでは?という奇跡も。魚信の出し方は最後まで一緒でオモリ着底後しばらく待って持ち上げるで通用した。だんだんキープサイズの閾値が上げっていき、最初のころキープしておいた25センチのものもリリースし、特大47センチ×1匹、大40センチ×1匹、中35センチ×5匹、小30センチ×1匹の8匹をお持ち帰り。35センチあっても中型なんだから、これはもう笑うしかない。しばらくオニカサゴ三昧を楽しめそう。
著者: へた釣り