下手だ。本当に下手だと船上で頭を抱える釣りだからハマるのが暑いこの時期限定で楽しめる浅場のタチウオだ。エサ取り名人と呼ばれるカワハギよりも難敵なのではないかと思っている。今日も船上で魚信はあれど針掛かりしてくれないタチウオ相手に涙目になりつつしのぎを削る。
京急線は事故の影響で川崎・横浜間が運休している。本日始発から通常運転になると案内されていたが、朝起きて運行状況を確認すると復旧は昼以降に延期されていた。仕方がないのでもう1回ベッドへとはならない。起きてしまったらなんとしても釣り行きたいぃぃぃぃいいいいな駄々っ子モードに。品川から東海道線に乗って金沢八景駅に到着するルートを検索すると、戸塚で地下鉄に乗り換えて上大岡から京急線に乗るというルートが見つかる。これならなんとか辿りつけそうといつもより少し早めに家を出る。東海道のホームから「こんなルートで無駄にパワー使い中」とSNSに投稿するとシーバス師匠改めサンマ漁の未来は担ってません部長から「横浜から京急走ってませんか?」との指摘。本当だ……横浜駅で京急線に乗り換えてあっさりと、いつもより早い時間に一之瀬丸に到着した。今思うと東海道線から京急線に連絡できる路線を探して横浜を何故見落としたのかは…謎である。
釣り物は午前タチウオ。桟橋に瀧本船長がいたので挨拶を兼ねて、船はどれですか?と聞くと、なんと午前タチウオ船の船長が瀧本船長だと知る。席も定位置の右舷舳だし、なんだか釣れそうな気がしてきた。定刻より少し遅れて桟橋を離れる。釣行報告には「八景沖~富津沖の浅場ポイント」とあったのでどこに行くのかな?と思っていたら八景島シーパラダイスを越えたらすぐに「仕掛けにエサ付けて準備しておいてくださいよ」とのアナウンス。ヘリポート付近のポイントで釣り開始となる。水深は15メートルくらいで底から7~8メートルを探るという指示だった。夜ならともかく、昼間っからこんなところにタチウオいるの?というポイントだがマゴチ釣りでもこの辺りをやったことがあるのでベイトが豊富でフィッシュイーターが集まってくるポイントなんだろうか? ただしこの日は何カ所か攻めたものの魚信なく、移動することに。
八景沖を離れて向かったのは田浦沖(吾妻島沖?)。2週連続でほかのこのポイントでタチウオを狙うことになった。ここではすぐに魚信があり誘いのリズムを変えずにいると最初の1匹は素直に食い込んだ。5分後にはもう1匹。今日は楽勝の日かもと気をよくしたが、たまたま迂闊なタチウオが1匹目、2匹目に魚信ってきたというだけで、3匹目以降はなかなか針掛かりしてくれない。魚信は30センチ刻みで少し速めに誘っているといい頻度で出るが誘い続けるとショートバイトが1回あったきりでエサを追ってくれない。それではと誘いの速度を落とすと魚信が全く出なくなる。例によってあー、うー、えーと母音の感嘆詞しか話せない頭の悪いおっさんになる。
結局、3匹目以降はショートバイトがあったら誘い上げるのをやめて一度竿を止めるというタチウオ釣りの定石とは違う方法で釣ることに。タチウオがエサにじゃれついているのを感じながらゆっくりと竿を持ちあげ、穂先を持っていく魚信になるのを待つ。打率は2割以下とよくないがほかに針掛かりに持ちこめる方法が見つからないのでこの方法に賭けるしかない。エサが齧り取られてなくなってしまうことが多かったが少しペースアップしていいペースで3匹目、4匹目、5匹目をゲットする。指2.5本も混じったが指3.5本級も。リリースサイズが混じらないのが救いだ。
そのままペースアップせずに11時15分の沖上がりの時間を迎える。最後の20分になんとか2匹追加することができ7匹。先週8匹で今週は7匹。竿頭の人は15匹くらいとダブルスコア。ほとんど同じような釣果なので、これが実力なんだと思う。下船時に瀧本船長から「苦戦してましたね~」と声をかけていただく。タチウオに関してはいつもこんなものなので、当人には今日は特に苦戦したという印象はない。魚信は出せてるのに全くモノにできてない姿は船長からすると「苦戦」に映るようだ。「竿を止めてしまうとエサだけなくなりますよ」と教わったがほかに掛けようがなかった。浅場のタチウオってどうやったら釣れるねん!! 暑かったので午後船にはリレーせずに帰途に着く。
著者: へた釣り