熟女マゴチを所望だとか、本塁打マゴチで一発逆転だなどと威勢のいいことをほざいているが、60センチ超えのマゴチは2匹しか釣ったことがない。前回釣ったのは3年前。その前はさらに4年前。幻のとは言わないがかなりレアな出現率だ。久々の特大サイズにマゴチにしてよかったぁ~。
午前中は凪で午後から風が強まるという予報だったが、朝起きてからもう一度予報を確認すると風の吹き始めが早まるようで、10時くらいまでが勝負の雰囲気。そんな予報を嫌ってか、羽田・かみやのマゴチ船はいつもの週末よりは空いており、右舷4人、左舷3人での出船となる。電車でのんびり釣行のへた釣りはいつものように左舷の真ん中。デカッw船長がいる操舵室のすぐ下辺りに釣り座を決める。船は凪の海を富津沖へと向かう。昨日は富津沖~海堡周辺で中型主体で釣れたみたい。
マゴチ釣りでできることは誘いを兼ねてとにかく飽きずにタナを取り直し続けること。20秒に一度、オモリで底を取り直して1メートルタナを切る。魚信が出るまでひたすら、機械のようにこの作業を繰り返す。8時30分に釣り開始。水深は13メートルだった。なにも起きない。マゴチからはもちろんのこと、イカからもフグすらもエビに食ってこない。唯一エビが暴れたのはアカクラゲの触手に接触したときだけ。20分経ち、30分経ち……。9時20分すぎにようやく最初の魚信。魚信の出方から食ってきているマゴチが小さいのが分かる。グッグッと穂先を引き込むような魚信になるまで待って竿を立てると手応えなし。尻尾付近を咥えていただけ。そこからまた沈黙。
最初の魚信から次の魚信までがとにかく長かった。船長は何度も筋を変え、水深を変え攻めてくれているのだが船の周辺にマゴチはいないんじゃ?と疑いたくなるほどに何事も起きない。2度目の魚信は11時ちょうど。これまた小さい。最初の魚信は早アワセだったのでじっくり粘ってさすがにもうというタイミングで竿を持ち上げると……一瞬竿に重みが乗ったが勢いよく竿を持ち上げたせいで極小マゴチが針に乗っかったまま浮いてしまった。リールを巻き始めるとすぐにバレた。小さなマゴチはアワセの強さに工夫が必要? 11時35分に3度目の魚信。今度はなんとかアワセにも成功して、ボウズだけは回避。いつもなら「デカッw」とからかわれるサイズだが…デカッw船長も本日はとっても弱っていたようで、「よくぞ釣ってくれた!」と感謝される。船中2本目だったらしい。
富津沖から海堡周り、もう少し沖へとポイントが移っていく。11時半を回り少し風が吹き始めるとマゴチからのコンタクトは増えた。でも…どれもこれも手応え的には40センチ以下のデカッwサイズばかりだった。空振りしまくる。その都度エビの状態を確認したが、全部マゴチだったと思う。12時の時点で6打数1安打。今日も二軍落ちの打率かなと思っていたら、本日初のグッグッグーンと竿先を力強く引き込む魚信。こっちの方が断然アワセやすい。大きく穂先を持っていたタイミングでどりゃぁぁぁあああ!!と竿を持ち上げる。竿がひん曲がる。腕は肩より上にあるのに穂先は目線より下にある。デカい。ドラグが滑る。無理をせずにゆっくりとドラグを滑らせながらのやり取り。海面に見えたのは三塁打(55センチ以上)は確実。本塁打(60センチ以上)かも? デカッw船長に計測してもらうと61.1センチだった。
1匹このサイズが獲れればマゴチ釣りは心に余裕ができる。余裕ができると魚信が増えだすのであるから不思議なものである。マメにタナさえ取り直なおせば魚信はだせるようになったが、マゴチが小さいせいか、それともやる気がないせいかどうにもアワセるタイミングが難しい。このあとも空振りしまくる。最後にやってきた小柴沖で40センチくらいのを1匹追加してこの日の成績は11打数3安打本塁打1本。釣ったマゴチは神経絞めして持ち帰る。本塁打級のマゴチがピクピクと痙攣しているのを見てぐふふと笑う変態さんと化す。
著者: へた釣り