2束狙うなんてどの口が言った!!と昨日の自分に小1時間くらい説教をくれてやりたい。2017年のイサキを締めくくるつもりだった釣行は目標の半分、1束すら達成できずに88匹止まり。追い食いがほとんど発生せず1匹1匹丁寧に真心込めて巻き上げることに。未知の活性に手も足も出ず。
空は曇天、凪、潮も速すぎず緩すぎずでイサキを好漁するのに好条件がそろっていた。あとは船が少しでも空いていれば…と祈るような思いを胸に金沢八景・一之瀬丸へ。うわぁと諦めるでもなく、やったーと喜ぶほどでもないほどよい混み具合でへた釣りが入った右舷は6人。大艫も舳も泳がせ釣りの道具を持ち込んでいた。ブリやカンパチが狙えるそうである。といっても、電車釣行で四隅の釣り座に無縁のへた釣りには関係のない話だ。人間も釣りも小物らしく、せっせとイサキを釣るからいいもんね…と考えたってことは、やっぱりちょっとは羨ましいんだと思う。
船は50分ほど走って剣崎沖へ。イサキ釣りの盛期は去った感じで松輪の根の周辺に船団はできていない。5、6隻くらいがポツンポツンと離れたポイントを攻めている。最初のポイントは18メートルから12メートルというタナの指示。例によって50センチ刻みステイ0の速いシャクリでスタートし、ステイ時間を長くしていって魚信が出るシャクリを探る。ステイ1秒ですぐに魚信はあった。仕掛けの張りを意識してゆっくり巻き上げながら小さくシャクって追い食いを狙うが……追い食いはない。簡単に1匹目が針掛かりしたので、高活性だと喜んだが……。この日は1日追い食いをしないイサキに翻弄されることになる。
1匹ずつの釣りになることはたまにあるが、それはオキアミにしか食ってこないというとき。ウィリーには反応しているのに1匹目は食いつくが2匹目以降の追い食いがほほ発生しないという活性は初めての体験。あの手この手と追い食いを発生させるための手を尽くしてみたが、どうにもならない。一番上の針に食ってくることが多かったので枝間を40センチに詰めた仕掛けでビシの近くに針を集める作戦も試してみたのだが……。釣りを開始して1時間半経った10時くらいにようやく1つめのゴンズイ玉が完成。
この日はウリンボサイズは瀧本船長が引き取ってくれることになっていたので、舳にあるイケスにウリンボを移していく。1時間半で40匹くらいなので、追い食いが発生し始めれば束は楽勝、2束だってまだ狙えると頑張ってシャクリ続ける。全くもって報われない。魚信はそれなりにある。でも釣れるのは1匹ずつ。追い食いを狙って粘るのは時間の無駄で1匹ずつ手返しを優先した方が効率がよさそう。リールを巻きながら「1匹1匹丁寧に真心を込めて巻いております」と自嘲的なことをほざき始める。12時を回って、明らかにペースダウンし、2束どころか1束も怪しくなってきた。良型!!と喜んだらウマヅラハギの尻尾にスレ掛かりだったりと何かとうまくいかない。
さらに沖上がりの14時半が近付きだすと、なぜかマルアジばかり釣れるという困った状態(船長の分析ではチモトの夜光とティンセルのせい)になり、そのまま手も足も出ずに終了。ウリンボ82匹+お持ち帰りが許されている20センチ以上のイサキが6匹で計88匹。クーラーがとっても寂しい感じだが、イケスは舳の人も魚を入れたので軽く束超え。あまり釣果がよくなかった人におすそわけ。魚をもらう立場ではなくあげる立場になれたのがちょっぴりうれしい。来週末に最終戦をやる? やらない? ……悩み中。
著者: へた釣り