こんなに渋い洲崎沖は初体験だ。ウィリーにはほとんど魚は食ってこず、釣れるのはオキアミばかり。追い食い狙えず1匹ずつしか拾えないで全く数が伸ばせない。五光の1種、カイワリをゲットしたし、人生初のキントキも釣れたのにクーラーは五分しか埋まらず、どや顔する気分にはなれず。
入れ込むとあか~んなことになるのは知っているが、先週海に出れなかったので、入れ込むなって言われても無理。鼻息荒く、金沢八景・一之瀬丸からウィリーこいこい3戦目。洲崎沖まで行けそうなのが分かっていたので大漁を疑っていなかった。なのに、荒かった鼻息はため息に変わり、最後の方なんてシャクリ疲れて虫の息? 1日やってウィリーで釣れた魚はヒメを除けば、オキメバルが2匹だけ。オキアミにしか食ってこない魚たちに「やる気だせ~~」と念じながらシャクリ続けたけれど、ちっともやる気を出してくれなかった。
桟橋に着くと、「へた釣りさん?」と声をかけられる。しまった~~!! へた釣り印のウィリーをプレゼントしたかったのだが、今週はシマアジのことばかり考えて、仕掛け作りをさぼっていた。申し訳ない。この日のウィリー船は片舷4人で8人。へた釣りは左舷の胴に釣り座を決める。ウィリーの場合、少量のコマセを撒くだけなのであまり席は気にしないでいい。船長からは「1時間と少し走ります」とのアナウンス。館山~洲崎沖に直行だ。大島の島影がはっきり見え始めると大漁を確信しちゃうのであったが……。
ここでちょっと嫌な予感。いい反応が見当たらないようで船がなかなか止まれない。やっと止まると、「ウィリー針にもオキアミ付けてくださいね」という船長からの指示。活性がよろしくないときの指示だ。いつものように無視して、ウィリーで食わしちゃるぅ~と、底5メートルから10メートルをシャクってシャクってシャクリまくる。ものの5分もしないで小気味良い竿先をクンッと引き込む魚信。ゆっくり巻き上げながら追い食いを狙うと、竿先が引き込まれ手元に魚の重みが伝わってくる。いきなりパーフェクト!?の予感に気をよくして巻き上げるとオキメバルが3匹。型は並みだが4本針に3匹付けば達成感がある。さすが洲崎沖、悪い予感のかけらもないさぁ~♪
予感は外れる。魚信があったのは最初の一投だけで、その後沈黙。タナを取り直すために底まで落とすとヒメの魚信はあるが、ほかの魚信は全くなし。時間だけが過ぎていく。船長は移動を決断。何度か速度を落とし止まるかなという雰囲気になるのだが、再度速度アップを繰り返し、全く船は止まらない。妥協気味(操舵室の前なので伝わってくるw)にようやく止まって釣り再開。ウィリー船の船長は引きが強いタイプらしく。しばらくシャクっていると、竿先グング~ンな魚信がっ!! 昨年7月以来のカイワリだった。およそ10カ月ぶりにカイワリのお刺身が食べられるっ!! 洲崎沖は裏切らない。
その後もカイワリを狙って速いシャクリを続けるものの、2匹目のカイワリが遠い。左隣で魚皮サビキで釣っていた人に赤い魚が上がる。キントキという魚らしい。船長がタモ入れしていたので美味しい魚に違いない。今度は右隣にもキントキ。釣ったことがない魚なのでキントキ釣りたぃぃぃいい。シャクリの速度を落としてみると、すぐに竿先が大きく曲がる。巻き始めるとあれ? カイワリ? と勘違いするほどにいい引きをする。35センチのチカメキントキだった。釣ったことがない魚なのでウィリーこいこい札になってないが、どのグレードの札にするかは食べてから決めよう。
洲崎沖から館山沖にポイントを移しても、いい反応が見つからないらしく、大流し気味に攻めて、ときどきオキメバルの魚信がある程度。しかも、オキアミ餌にしか食ってこないので追い食いは全く発生しない。水深80メートルから100メートルの釣りで単発で巻き上げていると当然だが数が伸びない。3本針の空針仕掛けに少しだけ浮気して追い食いを狙ってみた。一荷は達成したのだがなんだか達成感がないので、すぐにウィリーに戻す。魚を釣って生計を立てている漁師さんじゃないので、釣ってて楽しいって方を優先させていいんじゃないかと。
「オキアミにしか食ってこねぇ~」と大きな声で愚痴を言うと、「活性が悪い時はそんなもんですよ」と船長が答えてくれる。ついでに「キントキが釣れるときは底潮が濁っているんですよ。魚探にも反応が映りにくいから、流して攻めるしかない」という状況らしい。速潮で洲崎沖に来れずに苦しみ、やっと来れたと思ったら今度は濁潮に苦しめられる。それでもまぁ、念願のカイワリをゲットしたし、初物のキントキも釣れたしで、状況の割には健闘した方だよねと自分を慰めつつこの原稿を書いている。
本日のウィリーこいこいのポイントは……
著者: へた釣り