クロムツは1匹釣れれば大満足という魚ではないはずだが…ノーガコッ伝説を始めてしまった前回に引き続き、竿を揺するような本命と思しき魚信は全く訪れない。ノーガコッ伝説第二章になってしまうかもとヒヤヒヤする。一流しだけクロムツの群れにビンゴして一度だけガコッ。伝説はギリ終了。
新島キンメ遠征が時化順延になったので、羽田・かみやのクロムツ五目を予約する。前回一度も本命の魚信を出せずに悔しい想いをしたのでリベンジ釣行だ。クロムツ釣りで二連続でボウズを食らったなんてこともう何年もないので、釣れて当たり前くらいのつもりで臨んだわけだが……。右舷5人、左舷6人の11人での出船となる。へた釣りの釣り座は左舷の前から2番目。右舷舳のちゃま名人から特餌の鮭皮をわけてもらう。東京湾口で実績ありのはりよしのホタ針15号の4本針仕掛けをセットし、ノーガコッ伝説なんてすぐに終わらせる気だったのだが……。
1時間半ほど走って淳ちゃん船長お得意の保田沖のポイントへ。水深は220メートル。少し風があり船の上下はあるが、投入しづらいというほどの荒れ具合ではない。仕掛けは無事投入できた。オモリが着底したらすぐに5メートル底を切って、ハリス長の70センチ刻みとストンストンと落として枝スを扇状に動かして誘う。食い気のある魚がいればすぐに魚信ってくるはずなのだが……何も起きない。オモリの再着底と同時に竿先に微小な違和感があり、小さなユメカサゴが釣れただけ。
どうもおかしい。クロムツ釣りでは流しているうちに水深が深くなったり浅くなったりするはずなのだが、何度底を切って誘い下げても水深がほとんど変化しない。全く潮が流れていないという状態だったらしく。保田沖を諦めて南下する。移動しても潮通しは…よくならなかった。潮がないときはメダイが釣れると聞いたことがある。水深270メートルのポイントでメダイ狙いで高めのタナを探ると、穂先にわずかな変化。高めのタナでのこの魚信はシロムツ。一荷で釣れて本日最初のキープ魚。
再び北上して再び保田沖へ。既に12時を回っていた。残り2時間。さすがにこれほどまでに魚信がないとノーガコッもあり得るなと考えてしまう。水深200メートルから一気に深くなるというアナウンスがあった。大きく底を切るとタナを外してしまうので2メートルだけ持ち上げて3回誘い下げて底を取り直すという小刻みな根歩き作戦をしていると…ガコッ。??? クロムツっぽいけど…クロムツの魚信がどんなだったか忘れてしまっているので自信を持てない。しばらく追い食いを狙ってから巻きあげる。程よく抵抗しながら海面に姿を現したのは33センチのクロムツ。船中1匹目だったので無駄にテンションが上がった。
この一流しが勝負だった。急に電動リールの巻き上げ音が船のあちらこちらでし始める。手返しよく仕掛けを再投入しておかなければいけなかったのだが、取り込み時に仕掛けを絡ませてしまい、しかも枝スが縒れてしまっていたので、再投入に手間取ってしまう。今思うと少々仕掛けが縒れていようがそのまま投入が正解だった。もう1匹のチャンスを逃してしまった。船長は夢よもう一度と同じような場所を流してくれたのだが魚信は出せず。沖上がりの時間に。釣れる方の伝説が始まる手応えは今のところ全くない。
著者: へた釣り