城ヶ島沖のアカムツは役満(アカムツ)は釣れなくてもそれなりのお土産が見込めると書いてしまった。お土産確保に失敗したら三崎港・えいあん丸の営業妨害になってしまうと結構なプレッシャーを感じていた。結果はいつも通り。アカムツには嫌われたままだけど美味しいお土産は十分。
2023年の釣り納めで役満(アカムツ)あがって帳尻合わせるとチャレンジするも失敗。東伊豆を含む相模湾でのアカムツ連敗記録を8に伸ばした。三度目なら正直で済むが、九度目ともなるともう神頼みである。2024年は好漁続きで釣運上昇中なのを信じての再挑戦であったが、運まかせに運良くはあっても、神頼みに運良くはない。神頼みなへた釣りの腕でもそれなり以上の釣果は得られるのであるから城ヶ島沖の中深場は楽しい。三浦海岸駅からの送迎を利用して三崎港へ。駅前の河津桜が満開になっており朝から今日はいい日と思ったものだが……。
水深270メートルのポイントで釣り開始となる。胴突き4本針仕掛けで一番下の針だけマシュマロボールやケイムラフロートパイプなどのアカムツ狙いの定番の装飾を施し、エサは船宿支給のサバ短と持ち込みのホタルイカの抱き合わせ。残りの3本は装飾なしでエサはサバ短のみでクロムツを狙う。投入して底を切ろうとするといきなり竿先ガコッ!! アカムツは着底とほぼ同時に食ってくることが多い気がするので、もしかして? 心の中で万歳三唱をしながらどうせならと追い食い狙ってしばらく我慢してから巻き上げを開始する。巻き上げ中も間欠的に抵抗し、海面近くになっても抵抗が弱まらない。重量感もまずまず。「あっかい~♪」と大喜びする心の準備をして取り込み体勢に入るが……海面下に見えたのは鈍い銀色の魚影。中型メダイでがっかり。このサイズでも西京漬けや祐庵焼きにすると美味いのでお土産確保というミッションはクリア。
午前中は北風7メートルでちょい時化だったが、著しく釣りにくいほどには荒れていない。ただし…北風なので思っていた以上に寒く、手がかじかんで仕掛けを正したりエサを付けたりするのに少し苦労する。二投目も魚信があったが明らかに小魚の魚信だったので船長の回収合図を待って巻き上げる。小ぶりのユメカサゴ(リリース)+シロムツ3匹で4本針が全部埋まっていた。曇り空のおかげか魚の活性は抜群だ。三投目でも竿先ガコッ。少し高めのタナだったのでクロムツっぽい。欲張りなので追い食い狙ってかなり長い時間粘ってから巻き上げる。粘りすぎたせいか巻き上げ中の抵抗は鈍く、重みはあるので魚はいるがクロムツ以外の魚かもと不安になる。30センチくらいのクロムツがダブルで釣れた。ここまで空振りなし。この調子で魚信があれば、そのうちアカムツも混じるかもという高活性だったが……。
急に何かが気に入らなくなってしまったようで、魚信がパタリとなくなる。アカムツの捕食層と言われている底4メートルからベタ底までを枝スを動かしながら執拗に誘い下げるのだが、魚からのコンタクトなく完全に筋トレの時間に。魚信を察知できないのでおそらくべた底で一番下の針が底に這ったタイミングでギンメダイが食ってくるだけ。スタート時に今日は期待できそうと考えていただけに、魚信がない時間が何時間も続くとつらい。つらいと寒さが身に染みる。うまくいかないときの打開策を考えるのが釣りの面白さのはずだが水深が200メートルを超えると海中の様子に想像が至らず、無策に誘い続けることになってしまう。とっておきの打開策は無理でも気分転換にはなる愚策の1つでも思いつけばいいのだが……。
後半はというより四投目以降は、最後までぱっとせずだった。ギンメダイ以外だと20センチくらいの小型のキンメダイとぎりお持ち帰りサイズのユメカサゴが釣れただけ。25センチ以下のキンメダイはリリースするように指導されているが巻き上げが手荒かったせいか目玉が飛び出してしまっておりバケツに放すもすぐにひっくり返ってしまった。海底までたどり着けるとは思えないので持ち帰って食べることに。心折れても最後まで誘い続けたが、アカムツの目の前をエサが通ることはなかった。東伊豆を含む相模湾でのアカムツ連敗記録は9に。
著者: へた釣り