上手くできていない釣り(シロギス)で上手くできないこと(ベイトキャスティング)の練習をしようと考えたのが無謀だった。船上で上手くできないことを増やすとムキーッと癇癪を起こしたお猿さんになる。何かつかみかけていた気がした胴突きでは魚信を出せず、キャストは飛距離が足りない。
来季のエギタコに向けてベイトリールでのキャストの練習をしようと極技 湾フグ メタルソリッドというシロギスでも使えそうな湾フグ竿を買う。蛍光ピンクのメタルソリッド穂先が格好よいこの竿で颯爽とキャスティングして、糸の出し入れがしやすい両軸リールのメリットを生かしてしっかり10秒タルマセてからの聞き上げ。魚がいなければ竿の硬さを利用してオモリを跳ねさせるような誘いでシロギスにアピール。妄想上のへた釣りはいつだって完璧なのである。現実世界のへた釣りはたいていポンコツだ。
夜は花火船で出船するため企画された羽田・かみやの午前シロギス船に乗る。暑いから午前船でちょうどいいかなと考えていたが、出船前から既に汗が吹きだしぐったり。船が走り出してようやく涼を得た。富津沖に向かう船上で温泉に浸かるカピバラくらい幸せな顔をしていたと思う。船が止まって釣り開始となると暑さは完全に忘れて釣りに集中。風が少しあったのでつらさはない。問題のベイトキャストはバックラッシュなどのトラブルはないもののメカニカルブレーキを締めすぎたのか飛距離を出せずに苦戦。スピニングリールの半分くらいしか飛んでない気がする。またガイドが小さいせいかリーダーを結んだFGノットの結束部が引っかかる手応えがあるとさらに飛距離が落ちる。
キャストしてオモリが着底したらラインスラッグを少し残したくらいの状態でタルマセて魚信を待つ。魚信をぎりぎり感じられる程度の張り具合が理想と教わった。両軸リールだと糸の出し入れをしやすいので試行錯誤しやすい。張るくらいならタルマセて枝スが自然に海流にたなびく方がよいそうだ。極技 湾フグ メタルソリッドの入魂は2投目で達成できた。タルマセた状態でフルルという小さな魚信があり竿をやや送り気味に。一呼吸おいてから竿を持ち上げると掛かった。希望通りの天ぷらサイズでスタート。2匹目もすぐに魚信があり、目標の10匹は楽勝な滑り出しだったが何かが狂ってしまったらしく次の魚信がなかなか出せない。
キャストしたあとやや斜めにラインがなった状態でも湾フグ竿ならすっと竿を持ち上げるだけでオモリが浮いてくれる。竿を頭上に留めて再着底までの秒数でどれくらいアピールできたかを計るのだが、しっかり誘えている気はする。ただし、キャストの飛距離が出ていないので1回竿を持ち上げるとすぐに船下まで来てしまう。少しでも飛距離を伸ばそうとメカニカルブレーキをどんどん緩めていくがあまり飛距離に影響はない。胴突き仕掛けなのでオモリを手にもって竿をしならせてからキャストすると少し飛距離が伸びた。もっと飛ばしたいなら練習するしかなさそう。湾フグ竿でのシロギス釣りは小さな前魚信が分かるのが面白かった。小さな魚信から分かる釣りをシロギスでしたことがないのでいつアワセるかが分からず何匹も逃す。飲み込まれずに口に針が掛かっているなら早いという考え方でいいのかな? でもタルマセ続けてじっくり食わせようとするとエサがなくなることもあったので……これも修練でつかむしかないのか?
悩みが多すぎる釣りは面白くはあるが釣果には恵まれないことが多い。連発するかと思えば周りの人は釣れているのに全く相手にしてもらえなかったり。その都度どうしてそうなったかを考察すべきなんだろうが、釣りの基礎学力が低く、胴突きでのシロギス釣りの入口までやっとたどり着いたばかりのへた釣りに難しいことを考えるのは無理。無理なくせに考えようとするからムキーッと癇癪を起こしたお猿さんになってしまう。これを繰り返すとこの釣り向いてないからや~めたとなるので、今日のところはツ抜けが目標で11匹釣ったのだから十分頑張ったと自分を甘やかしておく。ただし、飛距離を伸ばす方法を次回までに考える。
著者: へた釣り