ビシアジは深いところを釣るので大きいのが釣れると思い込んでいたが季節によって必ずしもそうではないことを知る。京急大津・いなの丸から猿島沖50メートルでブランドアジの猿アジを狙ったが20センチを超えないアジフライサイズばかり。活性は抜群で冬のトリプルまつり開催中だった。
品川発東海道線の始発に乗って横浜で京急に乗り換えて大津港を目指す。今回は堀ノ内で乗り換えるのを忘れずに出船1時間前には到着。釣り座は左舷4人の前から2番目。オマツリが怖い人数ではないので胴の間が有利な気がする。準備をしているといなの丸常連の猿アジ名人から「釣れるのは小さいよ、全部20センチ以下だと思って」と教わる。魚信がはっきり出ないこともあるらしく、少しでも魚信が出るようにテンビンをライト用の細径の物に換えた。定刻に港を出て猿島沖50メートルで釣り開始。
船長の指示ダナは底から2メートルでコマセを振って1メートル上げて待つだったが、へた釣りはいつも通り1メートル・1.5メートル・2メートルでコマセを3度に分けて振り出して50センチ上げて待つ。2メートル幅に作ったコマセの煙幕に上針から下針まで130センチに配した3本針を入れる。濃い煙幕を作るより素早く撒いて素早く針を煙幕の中に入れるのが大事だと考えている。すぐに釣れ始めたが…ビシアジ用の竿の穂先を持って行ってくれるサイズではない。魚信を見逃すほど微細な魚信というわけでもない。
サイズが小さいし水深が50メートルもあるので手返し勝負ではなく、一荷狙いで。魚信があってもすぐには巻き上げず、同じタナで待ってから1メートルほどゆっくりと巻き上げて追い食いを狙う。狙ってトリプルになると気持ちいい。トリプルになったはずと巻き上げるとダブル止まりだったり、ダブルと思っていたらトリプルだったり。もちろん追い食い不発でシングルなことも。活性がよく掛かりどころがよいので欲を出して粘れるが…追い食いした回数を見究めるのがなかなか難しいし面白い。
20匹ぐらい釣ったところで悲劇発生。魚信を大きく出すために使っていたライト用のテンビンが130号のビシの重さに耐え切れずに破断。しかし…へた釣りはテンビンをよく壊す。いい加減、重いオモリや抵抗の大きなビシを使うときは太いテンビンを使うと学習すべきなのだが…径が1.6ミリもあれば130号くらい平気に見えてしまうのである。径2ミリのテンビンに換えると魚信が取りにくくなり、竿先に違和感があっても掛からずということが増えた。操舵室でそんな様子を見ていた船長から「クッションゴム外して」との指示。この指示は的確だった。クッションゴムを外すと確かに魚信が穂先に出やすくなったし掛かり損ないも減った。
船中デカアジがごくたまに上がったりもしていたがへた釣りにはクッション外さなければよかったと後悔するような魚信は一度も訪れず。淡々とアジフライサイズのアジを釣り続けた。沖上がり前に数を聞きに来た船長に「20匹は絶対いる」と答えておいたが、本日はトリプル・ダブルで数を稼いでいたので想像以上に誤差がでていた。クーラーに移しながら数を数えてみると57匹。酒の肴にもなるアジフライ半年分くらい確保できた感じだ。アジフライのストックは十分なのでしばらくアジ釣りに行きにくくなった。船長いわく「70メートルに行っても大きさは変わらない」んだそうだ。
著者: へた釣り