釣り納めにアカムツを選ぶなんてオーラスで配牌関係なく役満狙うみたいなもんかな? 2023年は負けが込んでいて役満(アカムツ)を狙わないと帳尻が合わなかったのである。今年1匹も釣れていないアカムツがそう簡単に釣れるわけがなく白(シロムツ)ドラ(クロムツ)3で終了。
強烈寒波だ、東京で初氷だと、テレビで寒い寒いと騒ぐもんだから貼るカイロをお腹側に2個、背中にも2個貼って、三崎港・えいあん丸の送迎が来てくれる三浦海岸駅を目指す。カイロのおかげか家を出ても寒さを感じなかったが、横浜駅で京急に乗り換え、電車が海沿いを走るようになると、駅で扉が開く度冷たい空気が車内に流れ込んでくる。駅前で送迎を待つ間も結構寒かったが、陽が昇り、ほぼ無風の乗船場所に着いてみると、我慢できない寒さではなさそう。船宿からカイロをプレゼントしてもらいカイロ5個体制に。若女将に挨拶すると「痛風、もう大丈夫ですか?」と覚えてくださっていた。というわけで、へた釣りはえいあん丸では痛風さん。
アカムツ船は若船長の操船で片舷4人ずつで出船する。へた釣りの釣り座は右舷の前から2番目。隣との間隔が十分あるのでオマツリはそれほど恐れなくてよさそうだ。城ヶ島沖の水深250メートルくらいで釣り開始となる。城ヶ島沖は潮が速いことが多いので、捨て糸120センチを付けた胴突き3本針仕掛けで。エサは船宿支給のサバ短にツボ抜きしたホタルイカを抱き合わせる。オモリが着底したら竿を大きく持ち上げてから水平に、水平の位置で20秒待ったら、竿を海面に向けてそこでも20秒待つ。魚信がなかったら底を取り直して最初に戻る。
アカムツはクロムツほどは浮かないらしいので底から仕掛けを大きく離さず、でも、枝スを親子サルカンを要に扇状に動かして誘おうと頑張ったが、潮が速すぎていつの間にか大きく底を切ってしまっていることも。外房でのアカムツ釣りのように錘が底を引きずる感じにしようかなとも考えたが、船上ほとんどの人が底べったりの釣りをしている。まだ、誰も釣れてない。こういうときは逆張りするに限る。誘い下げて枝スを動かすという釣り方を続けることに。船中、まずはクロムツが釣れ、へた釣りの右隣の人がアカムツを釣りあげる。魚はいる。魚がいるのは確認できたが、ま~ったくエサに触られることなく、時間が過ぎていく。
シロムツでもカゴカマスでもユメカサゴでも中深場の釣りなのでエサが目の前を通れば、何かは食ってきそうなもんだが、何も食ってこない。お昼をすぎ、もしかして釣り納めまでノーピクな予感すらし始める。それはそれで2023年を象徴する釣り納めになるからいいやと自暴自棄になりかけているとようやく、穂先がガコッ!! 良型の迫力あるガコッではないが、アカムツかもと喜々として巻き上げ開始。巻き上げ中もときどき暴れるいい感じの手応えだったが……30センチくらいのクロムツ。ノーピク&ボウズは解除。続いて微小な魚信があって痛風さんにはうれしいシロムツが釣れる。
若船長はアカムツを求めて城ヶ島沖を行ったり来たりしてくれたが、そう簡単には巡り合えないから役満なのである。それでも午前よりは魚の活性がいくらかマシになってきたようで、クロムツの魚信は出るようになった。アカムツとクロムツの魚信の出方は似ている。竿先がガコッとなる度アカムツかもと心の中でニヤニヤするが、海面下に姿を見せるのはメタリックに輝く茶色の魚影ばかり。クロムツは2匹追加して3匹に。お雑煮用に赤い魚が欲しかったので捨て糸なし仕掛けを投入してユメカサゴを狙った。狙えば簡単に釣れるつもりでいたのに…釣れず。2024年のお雑煮は紅白ではなく黒白になるかも。
著者: へた釣り