苦手なことはまとめて短期間に済ませるという傾向…仕事でも勉強でも昔からあったなと思い出す。苦手な釣りは数あれど全く釣れる気がしないほど苦手なアナゴとなぜ釣れるのか(なぜ自分は釣れないのか)分からず絶賛暗礁乗り上げ中のシロギスをどうして1日でやっちゃうかな~。
キスアナゴ天丼というパワーワードを目にしてしまったせいで、行くしかないと思い立つ。どちらかというとあっさり淡泊な魚ではあるが天ぷらにすれば、文佳人 夏純吟に合う魚を釣るという最近の釣りのテーマにもマッチする。問題は両方全く釣る自信がない。シロギスは胴突きの釣り方を練習するならとお勧めされた磯子港・根岸丸へ。アナゴは釣れなくても5本まで補填してもらえる羽田・かみやから。苦手なことはまとめて済ませるためにショート便→半夜釣りのおっさん体力持つのか?リレーに。体力はなんとか持ったが…あまりの下手さ加減に精神が最後まで持たなかった。
根岸丸に行くのは初めて。出船が8時とゆっくりなので余裕を持って家を出て根岸駅から徒歩で15分くらい。乗船は船長の指示に従って行うため、桟橋で着替えているといきなりやらかす。偏光グラスを桟橋の隙間から海に落としてしまいいきなり船長の手を煩わせることに。ロープを引っかける鉤で拾ってもらい事なきを得たが朝からツイてない。釣り座は左舷4人の前から2番目。船長から釣況などのアナウンスがあり中ノ瀬の水深25メートル前後のポイントへ。アカクラゲが嫌なので胴突き一本針で釣り始める。キャストしてはっきりタルマセて聞き上げる。いつものようにみんなから少し出遅れるもなんとか1匹目のシロギスをゲットする。
周りはみなさん名人さんたちでもとより敵うとは思っていないが、全く魚信を出せずに苦労しているすぐ横でポンポンといい調子で釣られるものだから、やっぱりこの釣り苦手だなぁっと。魚はいるのだからテンビン仕掛けなら魚信を出せるかなと2、3投だけ浮気をした。胴突きの練習をしにきたことを思い出し胴突き仕掛けに戻そうとしていると、船長から「これ、使ってみて」とお手製の仕掛けをいただく。枝スが長めでフロロや針が市販の仕掛けより丈夫だそうだ。仕掛けを換えると魚信を出せるペースが少し上がった気がする。枝スが縒れるとすぐに交換しに来てくれたりと船長にお世話になりっぱなし。
仕掛けのおかげでちょっぴりペースアップして気をよくしていると、船長から釣り方のアドバイス。キャストしたあとの聞き上げでオモリが浮いておらず引きずっているだけになっているのでオモリが浮くように竿を持ち上げて持ち上げきったところでオモリが再着底するまで待つと教わる。胴突きには硬めの竿と言われるのはこの操作のためかと気づく。ラインが斜めの状態でオモリをしっかり浮かせる竿の操作は難しかったがこれまで船の近くでしか出せなかった魚信がキャスト後の船から離れた場所でも出るようになった。ほかにも「キャストはできているから2本針も検討してみれば」などいくつかのアドバイスをいただく。その理由も分かりやすく説明してくださる。シロギス釣りを好きにさせてくれる船宿&船長だなというのが根岸丸の感想。シロギスは17匹。
ショート便の沖上りは14時。夜アナゴの出船時間は18時なので余裕で間に合う。送迎バスを利用せず電車を乗り継いでかなり早めにかみやの桟橋に到着すると、湾フグから夜アナゴにリレーする今野名人から「キスアナゴフグ天丼でどうぞ」とショウサイフグをいただく。夜アナゴ船は大盛況で既に釣り座は顔以外は優しい船長船の左舷の舳から2番目しか空いてなかった。潮先は艫らしいが、アナゴの超シビアな席取りに参戦する予定はない。ちなみに釣れなくても5匹まで補填してもらえるストック5はストック切れのため終了していた。アナゴの天ぷらは自力で確保しなくてはならない。日が傾き始めると出船。
木更津沖で釣り開始となり、釣鐘オモリが底から浮かないようにコツコツと小突く。アナゴの釣り方はそれ以上の知識がない。舳で釣っていたaya名人から「もっとゆっくり食わせの間を意識して」と教わる。名人の竿の動きを見て真似しているつもりだが…何ともならない。aya名人はすぐ横で12匹。へた釣りは安定のボウズ。何が違う?と聞くと「アナゴは課金し(通っ)て上手くなる」との至言をいただく。船長からは「何でも速く激しくやればいいってもんじゃない」と夜の指導を。キスアナゴフグ天丼のアナゴ抜きになるのは桟橋で23匹釣って竿頭だった異次元大塚さんから8本いただく(略奪する)ことで回避した。
著者: へた釣り