例によってへた釣りが乗船すると「昨日までは絶好調だったのに」という展開かも…と嫌な予感がしていたが、1匹だけだが人生初のワラサをゲットできた! 散々暴れて観念したかと思えば、少し休むとふざけんじゃねぇ!とグンッグンッと足掻くワラサの往生際の悪さが最高だった。
9月10日の金沢八景・一之瀬丸のワラサ船はなんと釣り人42名。3隻出しで平均すれば片舷7人と大盛況。今週頭から久里浜沖のワラサ絶好調という情報に触れて、週末になるのが待ち遠しくてという釣り人がへた釣り以外にもいっぱいいたってこと。例によって集合時間ギリギリ(始発でもギリギリ)に受付に到着したへた釣りは3隻のうち一番空いていそうな船の席札を取る。右舷胴の間、コマセ釣りなので悪い席ではない。
一之瀬丸が盛況だったというだけではない。久里浜沖に到着すると……何これ?ってほどにワラサ船団が密集隊形を組んでいる。横の釣り人いわく「レッドクリフみたい」。ワラサ船団総勢100隻(ちょっと大げさ)に対するワラサの戦闘意欲は……午前中はかなり渋かった。「頑張ってコマセ撒いてねぇ~」という船長の号令に従ってコマセが切れないように3分間隔くらいで打ち返したのだが、邪魔なソウダカツオすらヒットしない。
コマセといえば、前回釣行ではアミコマセしか撒いてはいけないと誤解していたのだが、オキアミコマセOKみたいだ。アミエビと混ぜてオキアミエビコマセでもOK。調子よくコマセを撒いていると船宿でもらえるオキアミが足りなくなるので、オキアミエビコマセがちょうどいいみたい。
前半戦はポイント移動なしでとにかく頑張ってコマセを撒く。底からハリスの長さ+1~2メートルでやっていたのだが、釣っちゃいけない根魚さえ付け餌をかじってくれない。かなりいい確率で付け餌がそのまま残って帰ってくるという我慢の釣り。昨日までは絶好調だったのに……へた釣りの釣行した日に限ってダメというイサキのときと同じ悪い流れになりそうな予感。
船長のタナの指示が底からではなく海面からに変わってから少しずつ状況が変わり始める。まず、へた釣りの右隣の人の竿が大きく曲がる。ドラグを滑らせ格闘すること約5分で、上がってきたのは3キロ級のワラサ。こうなると俄然気合いが入る。コマセを撒いて3分待ってを繰り返していると、へた釣りの竿もガツンと水面に突き刺さる。
慌てて竿立てから竿を取り、斜め45度に竿をキープしようとしたのだが、持ち上がらない。グンッグンッとワラサの力強い引きを2.5ミリ径のクッションとムーチング調子の竿の弾力でいなす。船長からの指示は「無理しないで、ゆっくりやってくださいね。バラしたらもったいないですよ」。言われなくても竿先が持ち上がらないのであるから無理のしようがない。竿先が何度も水面に引きこまれ、強い引きがきたときにドラグが滑って糸が出ていく。
しばらく耐える。耐えると書くと能動的な行為のようだが、耐える以外の選択肢がないだけの状態。ワラサだってクッションとムーチングロッドを相手にいつまでも暴れ続けるわけにはいかない。ワラサが疲れてくると、ようやく竿を立ててリールを巻けるようになる。すっかり観念したかと思えば、ふざけんじゃねぇ!とグンッグンッと何度も足掻いてドラグを引きだす。このやり取りは猛烈に楽しい。水面に姿が見えると感動である。
1本ワラサをゲットしてすっかり満足してしまったへた釣りは、その後、魚信なし。午後に入ってからワラサの活性が上がったようで、船中トップは4匹だったのだが、活性が上がったころには……なんとへた釣りのオキアミコマセは品切れ! ほかの人は魚信を出せているのに、アミコマセだけではワラサの食い気を誘えなかったようだ。次に行くことがあったらアミエビとオキアミを混ぜてコマセにしてオキアミの消費速度を抑えることにしようと思う。
でも、3キロ級のワラサは1本もあれば、4人家族で食べきるには何日かかかる。釣った初日は当然、お刺身。天然ワラサのお刺身は、適度に脂が乗っており、かと言ってクドイ脂ではなく、最高に美味しかった。明日くらいまでお刺身で頂いて残った分は照り焼きやワラサ大根にしようと、サクに落としたワラサの身の配分を考えていると、涎が……ワラサがふざけんじゃねぇ!と最後まで足掻く気持ちが分かるかもw
より大きな地図で 2011-09-10 一之瀬丸 ワラサ&マダイ を表示
著者: へた釣り