8月の宇佐美プチ遠征でウィリーに触れてくるカイワリが1匹もおらず1年11カ月ぶりのカイワリボウズを食らう。これまでも夏場は釣果が安定せず、カイワリも釣れる五目になることが多かった。夏のカイワリはアミではなくシラスなどの小魚を食べているという仮説を立ててリベンジに挑んだ。
迷走する台風11号の影響は全くなしでべた凪予報なのを確認して宇佐美・治久丸の午後カイワリ五目へ。夏休みも終わり伊豆へ向かう旅行客はさほど多くなく、東海道線はガラガラとは言わないが、ゆったり座れた。べた凪のつもりだったが駅に降り立つと釣りに影響があるほどではないが少し風がある。そのおかげか涼しい。秋を感じるというにはまだ早いが、猛暑は過ぎたような…。いつも通り駅前のお弁当屋さんのお弁当で海を見ながら腹ごしらえし、港の入口にある宇佐美の釣りの神様と勝手に呼んでいるお地蔵さんに手を合わせてから港を目指す。
午前も仕立てでカイワリも釣れるなんでも五目で出船したようだが、カイワリのご機嫌はあまりよろしくなかったようだ。釣れてないなら土佐カブラ4本針のカイワリング仕掛けを試すには好条件と喜んでいるのであるから随分と臍が曲がっている。へた釣りは左舷舳、右舷舳には前回ボウズをくらった日に船中唯一のカイワリを釣りあげたNob名人。船長からは「まず初島行きます」との案内。実験の条件は整った。カブラの仕掛けを付け、強く速くシャクレるようにビシは抵抗の少ないスリムビシに。へた釣りよりも先にNob名人にカイワリが釣れたら今日はオキアミにも食ってくる日と判断して、実績のあるウィリー仕掛けに戻す。水深90メートル。カブラでの最初の魚信は…何かが食ってきた衝撃はあったが全く引かない気持ち悪いものだった。カガミダイの若魚が釣れた。
次の魚信は気持ちよかった。底を3メートル切って仕掛けが馴染むのを待ってシャクリだすと2シャクリめでシャクった穂先がギュンと持っていかれる。竿先が海面に刺さるのではというほどに鋭い突っ込み。カイワリっぽい魚信の出方だが3、4匹同時に食ってきたのではという引きの強さ。重量感もある。無理をせずにドラグを滑らせながら手巻きで。シルエット確認…ん?1つ??…でも、デカッ! ジャスト30センチだった。お刺身で間違いなく美味いサイズにテンション上がりまくる。2投後にも6シャクリめで穂先がキュン。先の尺カイワリに比べると引きが大人しく感じたがいつもならお刺身サイズと大はしゃぎしていたであろう25センチ超。立て続けに良型を釣りあげて、カブラ無双!!!?とすっかり気をよくする。
カブラ仕掛けなら良型ばかりでツ抜けくらいは楽勝というペースだったが、夏につきもののあの魚に邪魔され出す。サバもカブラが大好きなようで、シャクれどもシャクれどもサバの餌食になり続ける。フォール中にも食ってくるし、仕掛けを馴染ませようと仕掛けを止めると食ってくる、カイワリかもという魚信があり巻いている最中にも食ってくる。サバの邪魔をかいくぐってカイワリをなんとか1匹だけ追加したのだが……これがまた30センチ超えの超良型だったのだからたまらない。時間が経つにつれサバはどんどん元気になっていく。サバの邪魔が始まったころにはあったカイワリの魚信はほとんどなくなっていった。遂にはカブラ4本針にサバ4匹のパーフェクトまで発生し、船長も諦めてカンパチ狙いにリレーすることに。
港近くの漁礁周りでアジを釣って泳がせたり、アジを釣ったまま落とし込みならぬ巻き上げで狙うのが治久丸流。いいアジの反応は出ているそうなのだがなぜか全く食ってこずにアジの確保に大苦戦。仕掛けをハリス1.5号に落すと食ってはきたがこの仕掛けだとカンパチどころかイナダが食ってきても瞬殺されてしまう。泳がせの仕掛けに換えて何匹か確保したアジを付けるか、カブラ仕掛けでカッタクリ風にカンパチを狙ってみるか。前者は静の釣りでへた釣りには向かないのでカイワリに続いてカンパチもカブラで釣ることに。アジ以外にマルソウダとムツの幼魚が釣れた。カンパチはお留守だったようで、竿を引っ手繰っていくような強烈な魚信は訪れずに沖上がりの時間に。
著者: へた釣り