2戦目のジンクスがある。初挑戦のときは丁寧に釣り方をあれこれ工夫する。それでうまくいったときハマるのが2戦目のジンクスだ。イシダイだけでなく久里浜沖の魚は激渋。船長の指示を無視してスローなシャクリで挑んでなんとか40センチ弱のご立派イシダイ1匹を釣る。ボウズは回避。
品川駅から東海道線で横浜へ。横浜で京急に乗り換えて久里浜。久里浜駅からバスに乗って久里浜港へと向かう。初めての釣行のときは乗り継ぎに失敗したらどうしようとビビっていたが、横浜駅でも久里浜駅でも時間に余裕がある。お腹が痛くてトイレからしばらく動けないなんて状況でなければ問題なくたどり着けそう。久里浜・平作丸の五目船(イシダイ五目?)は2隻出しでの出船。前回乗った船に乗ろうとすると、別の船でと指定され大型船へ。左舷は9人でへた釣りの釣り座は舳からも艫からも5番目。コマセを使う釣りなので胴でも勝負できるはず。船長の合図があってからロッドキーパーを装着するのが平作丸流。
船は定時に出港し近場のポイントから攻めていくとのアナウンス。船長から釣り方の説明がある。タナ取りは底から。オモリが着底したらすぐに仕掛けの長さ分底を切ってそこから2メートルコマセを撒く。そのあとは上へ上へと聞きあげてくるように釣ると指導される。少量のコマセを撒いてその中に付けエサを通すようなイメージとのこと。ウィリーの要領でシャクっても「少量のコマセを撒いてその中に付けエサを通す」ことになるので問題なしと判断し釣り始めるが……魚信が遠い。エサ取りすら食ってこない。オキアミがそのまま付いて返ってくるという状況。8時すぎに本日最初の魚信がある。掌サイズのシマダイ。22センチ以下はリリースというルールなので、写真を撮ったらすぐにリリース。
ここで船長から出た追加の釣り方指導に悩むことになる。「シャクっている人は魚信出せませんよ。エサを使った釣りですからね」。馬鹿の一つ覚えでシャクって釣りたいへた釣りは少々混乱。前回釣行ではシャクって釣れていたが、低活性時はシャクって仕掛けを動かすよりすうっと持ち上げる(聞きあげる)方がいいのかもとシャクらずに海面から竿先水平の位置までをゆっくり持ち上げるようにしてみたが、ネンブツダイやスズメダイが釣れるようになっただけ。両隣の人も竿をゆっくり持ち上げるように釣っていた。両隣が釣れたら真似すればいいやと、船長の指示は無視して大好きなシャクっての釣りに戻すことに。
信じる者は救われる? 風7メートルくらいまでの予報だったはずだが、予報よりはるかに風が強い。海はポチャポチャしており、こういうときはスティを長めにとって仕掛けが海中で潮になじむように心がける。少し深めの50メートルくらいのポイントでシャクった直後に穂先がグッと沈むような魚信。ゆっくり聞きあげると力強い引きに変わる。常時引いているわけではないが時々鋭い引き込みをみせ、竿をおくっていなさないといけない。手巻きでゆっくりとイシダイらしい間欠的な引きを楽しむ。海面にくっきりとした縞模様を確認。40センチに少し足りないご立派サイズ。船長に見てもらうと「余裕でキロ超え」とのこと。2釣行連続で口が黒くなった満足サイズのゲットに成功した。
シャクっても(へた釣りに関してはシャクった方が?)釣れるということが確認できたのであとはいつもの調子で、筋トレのようにシャクリ倒してきたが、イシダイだけでなくほかの魚も全く元気がない。魚の大好物のオキアミをコマセに使っているのに付けエサがそのまま残ってくることが多い。船長が魚がいない場所に船をつけるわけないのだが…その後はイナダを1匹追加しただけで沖上がりの時間に。帰港中に船長が低活性の理由を明かしてくれた。前日に比べ急に水温が落ちてしまったんだそうだ。イシダイは船中7匹だけでそのうちの1匹、しかもラードたっぷりが期待できる良型を持っているのだから、吾唯足るを知るだね。
著者: へた釣り