緊急事態宣言の解除以降の低迷を払拭するために、魚種豊富で豪華刺し盛り実績のある宇佐美・治久丸のカイワリ五目にプチ遠征。カイワリ…全くあかんかった。ウィリーへの反応が悪く、魚信を弾いたり、巻き上げ中にバラシたりで下手さ加減を思い知る。何かの間違いに救われる。
魚に嫌われることが多いへた釣りだが、カイワリにだけは愛されている(少なくても嫌われていない)と思い込むことにしている。どうも最近、釣りが上手くいかないというときに、カイワリならばなんとかなるはずとプチ遠征をする。今回も10月からおよそ2カ月ド貧果に沈み続けている憂さを、ウィリーをしゃくりまくって晴らしてやろうと目論んだ。カイワリ…そんな容易い魚ではない。カイワリ以外の魚はウィリーに好反応だったが、肝心のカイワリは……。船上でう~~~~むと唸り続けるしかなかった。さすがに気の毒だからと、釣りの神様が1匹だけいい魚をプレゼントしてくれた。
午前船が仕立てでカワハギでの出船であったため、カイワリ好きは午後船に集中したようで、片舷4人ずつの満員御礼での出船となる。ポイントは初島沖の95メートル前後。船長からはあまり上まではシャクらずにハリス分切って8メートルくらいまでとの指示がある。へた釣りは指示ダナの上2メートルまでは誘うと決めているので底3メートルから10メートルまでを50センチ刻みで14回シャクる。スティは0から始めて1秒、2秒と長くしていく。いい時なら一投目から魚信るのだが…ハチビキの幼魚でスタート。カイワリが釣れたとアナウンスがあった直後にシャクると同時に穂先をギュンと持っていく絶対にカイワリな魚信があったが……強引に巻きすぎたのかバラしてしまう。
バラシたとはいえ、魚信は出たのだからこのまま頑張ってシャクっていればチャンスはあると思っていたのだが、とんだお邪魔虫が現れる。サバよりもイナダよりもある意味やっかいだったのは、ウルメイワシ。船のすぐ目の前でナブラが立つほどに海面から30メートルくらいまでに沸いており、仕掛けの落下中にウィリーに食ってきては、デタラメな方向に泳いで仕掛けをテンビンにグルグル巻きにしてくれる。ポイントを移動してもすぐに追いかけてきて仕掛けをグチャグチャにされ続ける。ウィリーの枝スを切って針数を減らしウルメイワシに捕まりにくくしようかとも考えたがウィリーはある程度密度があった方がよいと信じているし、毎回毎回捕まるわけではないので我慢。
唯一の見せ場は、15時少し前にいきなりやってきた。底を3メートル切って2シャクリ目に小気味よい魚信。ゆっくり巻いて追い食いを狙うとカイワリ釣りではかつて経験したことがないパワフルな引き込み。ドラグが滑ってほとんど巻けないが、ハリスは2.5号…無理をすれば瞬殺される。ドラグを滑らせながらジリジリと巻いてくる。強く引かれたら竿を送っていなし、時にラインを引き出されながら焦らず時間をかけて慎重にやり取りする。そろそろ取り込み準備という段になって、後ろの人とオマツリして船の下に仕掛けが引っかかってしまう。仕掛けを手繰ると切れてしまった。姿だけでも見たかったなぁと悲嘆にくれているとしばらく経って船長から「マハタ付いてますよ」。裏の人の道糸に仕掛けが巻き付いており取り込めたみたい。ウィリーにカイワリ×2とマハタ。マハタはオレンジのウィリーに掛かっていたが、ウィリーに食ってきたのか、ウィリーに掛かったカイワリに食ってきたのかは不明。
すったもんだはあったがカイワリが釣れたのでさぁこれからとなるはずだったが……ウルメイワシしか釣れん! ちょっとマシな魚信はあってもカイワリのそれではなく少し食わせの間をあげないと食い込まないチダイ。夕マヅメになればカイワリの活性が上向くはずと休まずにシャクリ続けたが、最後までカイワリはウィリーに反応することなく、後半戦はチダイを2匹釣って終了。本命ボウズでこそないが、ド貧果に沈む。マハタは帰宅してから計測すると54センチ? 53センチ?という感じだった。船長も「あんなとこにこのサイズいるんですね」と驚いていた。妻のクロダイに続いてビッグなゲストで貧果を誤魔化せた?
著者: へた釣り