令和初の台風上陸の翌日に釣行する。予報を見ると凪ではないがなんとかなりそうな波・風に見えた。陸で小賢しく悩むより海で竿持ってつんのめる!!と覚悟を決め金沢八景・一之瀬丸からイサキ五目へ。湾奥の釣り物にしとけばとは考えない。どうせ海が悪いなら行きたい物に行くのが正解。
朝、土砂降りの雨が窓を叩く音で目が覚める。雨降ってるくらいが魚の活性上がるよねというレベルの雨足ではない。台風は熱帯低気圧に変わったがまさに今、東京を通過中という感じの降りだった。京急の品川駅では…これはやっちゃったかも!!と不安を覚える。ホームにクーラーや竿持参の人が一人もいない。ヤヴァいと気付いたが今更引き返せない。一之瀬丸へと向かう。席札を見てやっと一安心。満員御礼ではないがちゃんと釣り客がいる。釣り座はいつものように艫から埋まる一之瀬丸ルールで右舷の舳が空いていたのでそこに決める。一番前の席で用意していると瀧本船長がやってきて「今日は海悪いので少し後ろに下がった方がいいですよ」と言われる。風が残ってしまい剣崎沖は15メートル近い風と聞かされる。
船は少しゆっくりめの8時少し前に桟橋を離れる。風が少しでも収まるのを待っていたのだと思われる。前の船室は危険とのことなので後の船室に避難する。一之瀬丸にはよほどひどく飛沫を被らない限り船室に入る人はほとんどいないのでごろりと寝ころぶ。9時少し前に剣崎沖の松輪の根に到着した。キャビンを出るとウネリはあるが思っていたよりはかなりマシ。釣りには十分なる海だった。ウィリー5本針仕掛けを投入。ウネリがあるのでスティ少し長めの2秒で釣り開始する。指示ダナは18メートルから12メートルだった。18メートルまで落とすとすぐに魚がウィリーに触れてきた感触がある。活性は悪くないかもと喜んだが、魚が触れてきた感触はあるもののちっとも針掛かりしない。ポツンポツンとは釣れるが、5回魚信って1匹しか獲れないというあれれ?な滑り出し。
スティ2~3秒で魚信を出せることは分かったがイサキの針掛かり率がここまで悪かったのは初めてかも。船の上下で仕掛けが張れてないのかもと魚信があったら少し竿を持ち上げてみたが改善せず。竿を動かしてはいけないのかもと魚信があったらそこでしばらく待ってみたがやはり掛からない。穂先を引き込むのでさすがに針掛かりしただろうとリールを巻き始めると魚がいなくなる。う~~~んと唸るしかない。そんな食い方をしてくるので追い食いを狙って発生させることは不可能で1匹ずつ、運よく同時に掛かっても2匹までという地味な展開。釣った魚の針の掛かり具合を見ると口の皮1枚のことが多い。それでも釣り開始から2時間経った11時に1回目のゴンズイ玉を完成させる。クーラーに移しながら数えてみると39匹いた。
時速約20匹なので15時の沖上がりまで同じペースで釣れればちょうど束釣りを達成できる。頑張ってシャクリ続けたが魚の活性は空が明るくなると少し落ちてしまった。魚を掛けずに仕掛けを回収することが増え、鋭く速いシャクリへの反応も悪くなったのでスティ3秒のスローなシャクリへ。強烈な魚信がありハリス切れ。続いてすぐに針を伸ばされてしまう。マダイ? イシダイ? それとも大型のイサキ? ドラグをユルユルにして対応する。続けざまにいい魚信があり、尺超えのイサキの姿が海面に見えた。後にあったタモに手を伸ばし、自分ですくおうとすると、まさかの枝ス切れで良型を逃す。心折れそうになりながらもシャクリ続ける。海の神様は応えてくれた。似たような魚信があり、ドラグを滑らせながら慎重にやり取りする。海面に姿を現したのはさっき逃がしたのと同じか少しサイズアップしたイサキだった。今度こそはと慎重にタモ入れ。35センチのご立派サイズ!! このサイズが1匹混じると釣りの満足度が跳ね上がる。
大物の時合というのがあるのかどうかは知らないが良型イサキを釣り上げたら再び数釣りモードに。常時バリバリ魚信ってくるわけではなく、連荘したかと思えば少し間が空く。風やウネリが収まってきたので針掛かり率はいくらかよくなったように感じるが、相変わらず追い食いは発生させられない。1匹ずつ釣っていくしかなく数を伸ばしきれなかった。瀧本船長いわく「針の向きなんですかね? 魚の反応が高い層まで出ているときに針掛かりしにくいことあるんですよ」。束には届かないとは気付いたが飽きずに最後までシャクリ続けた。沖上がりの時点で本日2つめのゴンズイ玉を完成させる。43匹追加して82匹だった。追い食いを狙えれば束超えは当然として二束だって狙える気がする。剣崎沖のイサキ数釣りシーズンは間違いなく始まっている。
著者: へた釣り