豪華刺し盛りは、先週宇佐美沖までプチ遠征して達成したはずだが……八景沖の敵を宇佐美沖で討つではどうもきまりが悪い。宇佐美の魚で腹はくちた。あまり欲をかかずに今度こそ高級魚が釣れたらいいなと八景沖に再挑戦。竿を握れば無欲でとはいかないが心の余裕が釣果に出る。
ここ最近、金沢八景・一之瀬丸のアミ五目船はアジの釣果が安定している上に、イナダ、クロダイ、イシダイなどが混じると報告されているので、混雑は覚悟していた。船宿に着くと既に午前アミ五目船の席札は2枚残っているのみ。金沢八景ルール(?)で艫から順に埋まっていたが右舷の舳から2番の席札が残っていた。電車釣行でのんびり到着なのに舳2番なら悪くないどころか相当よい。舳はスーパーお立ち台ではないが一段高くなった席なので舳2番は通常シートの一番前。釣りやすさでは最高の釣り座だ。
出船前に瀧本船長にご挨拶。マダイ船にイシダイが混じり始めてないかを聞いたが「あまり釣れてない」とのこと。「イシダイはアミ五目船の方が釣れている」と教えてもらう。「枝スを短くしてイサキのときみたいにシャクってればきますよ」とのアドバイスも頂いた。これで本日の方針は決まった。イシダイ目指してシャクリ倒す。午前アミ五目船の船長は一之瀬社長船長。船は10分ほど走って八景沖の水深12メートルのポイントへ。船長からの指示は「まずはオキアミを付けずにイカ短でやって。タナは仕掛け2メートルなら2から3メートル、仕掛け3メートルなら3から4メートル」だった。欲張らないが本日のテーマなので船長の指示通りに2メートルのアジの仕掛けにイカ短を付けて釣り始める。
釣り方はLTアジのアミコマセアレンジ版。底1.5メートルでコマセを撒き始め、ウィリーシャクリの要領で50センチ刻みで2メートル、2.5メートルでコマセを振り出し、50センチ持ち上げてタナ3メートルで待つ。一投目からすぐに魚信。20センチ以下のがダブルでスタート。活性は相当よいようでトリプルも何度か発生しバケツにアジが貯まっていく。魚を付けていない状態で仕掛けを回収しないで済む時間帯が続き、アジ釣りあるあるで忙しすぎて写真がない。最初は小ぶりのアジが中心だったが、次第に20センチから25センチ級が優勢になり始め、そのサイズのアジのダブル、トリプルもありなのだから楽しくないわけがない。7時54分に釣り開始し、魚が弱り始めたので8時56分に魚をクーラーに移すとこの時点で既に47匹。時速47匹。このまま釣れ続ければ半日船で2束ペースだ。
このままアジを釣り続けて2束を目指すという選択もなかったわけではない。LTアジ船ならそうしていたと思うが、アミ五目船なのでアジを十分確保したら高級魚を狙いたい。最初の仕掛けが縒れてダメになったのを機に、全長3メートル3本針のアミ五目仕掛けに変える。アジの仕掛けはハリス1.5号だったのに対しこちらは3号。さすがにタナに合わせればすぐに魚信がという釣況ではなくなったが、それでもまずまずペースでアジが釣れてくる。本日のハイライトは9時半ごろに訪れた。竿先を震わせる小アジが掛かった手応えがあるがせめて追い食いをと無視していると、いきなり竿先をひったくるような魚信。竿をのされドラグが滑る。ドラグが止まるまで我慢して竿を立てたら攻守交替。重量感抜群でときどきドラグが滑って糸を引きだされる。無理せず竿を送って魚と喧嘩しないことを意識する。海面にユラリと茶色の塊が姿を現す。60センチのヒラメだった。2キロ超えのご立派サイズである。八景沖では高級魚が釣れないというジンクスからようやく解放された。
その直後にまたも竿先を大きく引き込みドラグが滑るいい魚信がある。重量感はヒラメに比べるとさほどでもないが、アジよりも重く、時折するどく引き込む。イナダに違いないと大喜びする。海面にシルエットが見えた。尾が黄色い。タモ取りしてもらって魚の姿を見て、半ばがっかり半ばびっくり。アジだった。40センチには届いていないが35センチはゆうに超えている。東京湾内(観音崎より手前)で釣ったアジの自己最大を更新した。その後もアジはポツポツペースだが釣れ続ける。最終的にはアジ66匹+ヒラメ1匹で67匹。魚種こそ少ないが、ヒラメと特大アジの姿造りなら3000円~4000円は取れるんじゃない?
著者: へた釣り