「アジ30匹釣らせろやて? てんご言うたらあきまへん。もうちと精進してから来なはれ」と東京湾の釣りの神様にたしなめられたってとこだろうか? 妻1号の東京湾デビュー戦はアジ4匹+シロギス1匹に沈む。出だしよくツ抜けくらいは楽勝と思われたのだが上潮が速くなると大失速。
北海道や西表島など旅先では一緒に船釣りをしたことがある妻1号だが、東京湾で船釣りをするのはこれが初めて。どうして急に釣りをと言いだしたのかをそれとなく聞くと三連休といっても1日(釣行日)を除いて仕事をしているへた釣りに付き合ってくれたってことみたいだ。2人で京急に乗って金沢八景までお出かけ。電車の中でたわいもない話をしているだけで楽しい。金沢八景・一之瀬丸に到着し、受付を済ませると「並びの席です」と席札を渡される。29番と30番。船に行ってみると右舷の大艫と2番目だったからびっくりした。乗船者のほとんどがグループで船宿の方で釣り座を確保したので特等席がもらえたようだ。大艫ならばオマツリの心配がなくなるので妻1号を大艫に、へた釣りがその横に座る。
船は片舷12人と満員御礼。船長はカワハギやメバルでお世話になる西村船長だった。この何日か釣果が更新されてなかったので「出てないんですか?」と聞くと「出てます」とのこと。「船頭が悪いせいで釣果が悪すぎて…」という持ちネタかまされてしまう。釣況がよくないのは薄々気づいていたが本当によくない模様。船は7時30分に桟橋を離れ、八景沖のポイントへ向かう。小雨で空が暗くでもほぼ無風の凪。アジ釣りの条件としては悪くない。水深16メートルで釣り開始の合図。船長からの指示は「タナは底2メートル」。底1メートルでコマセを振って50センチ巻き上げてもう一度、もう50センチ静かに持ちあげて魚信を待つといういつもの釣り方を妻1号に説明してから自分も仕掛けを投入。
さほど時間が経たずに妻1号のおっ!という声が聞こえる。20センチ超えで25センチには届いていないという一番美味しいサイズのアジを釣り上げる。釣況は船長が言うほど悪くはないのかもと妻1号の東京湾1匹目のアジを喜んだが、コマセを撒けばビシバシ魚信ってくるというほどの活性はなく、一生懸命コマセを撒いていると忘れたころにアジが釣れる。ただし、釣れるサイズは全部20センチ超えなので間は空くものの我慢できる。へた釣りは釣り開始1時間で4匹、妻1号は2匹。それでも魚信の頻度は少しずつ狭くなってきているのでもう少し我慢すれば……。
どういう加減なのかは分からないが満潮の9時20分の前後だけアジの活性が上がった。コマセを振りながらタナに仕掛けを入れるとすぐに魚信がで始める。サイズがいいのでトリプルはなかったがダブル2回を含めて短時間だが入れ掛かり。妻1号に「タナさえ合わせれば魚信あるよ」と伝えるが、タナを合わせるのが難しい。何度かタナのとり方の実演もしたのだが……。自分があ~釣れ、こ~釣れとうるさく言われるのが嫌いなので、妻にも言いたくない。試行錯誤の末に魚信を出せる釣り方を見いだせるといいなぁと見守る。この時間帯に妻1号は2匹釣って4匹に、へた釣りは14匹追加して18匹。10時を過ぎると魚信がなくなる。アジ釣りあるあるで釣れている間は写真が少ない。
潮止まりの時間が終わって10時を過ぎると潮が速くなりだす。ラインが鋭角に出て行くので仕掛け投入中に何度かブレーキをかけてラインを立たせてから再度落とす。そうすることでタナ取りが早く正確になるしオマツリも減るのだが……皆さんタナボケ上等!! 1秒でも早くビシを着底させる派のようで…ここから先、アジの何倍も他人様のビシを釣り続けることになる。速い潮を嫌ってかポイントを移動すると釣れるサイズが小さくなってしまいへた釣りは沖上がりまでに3匹だけ追加して21匹。妻1号は潮が速いとさらにタナが取れないようで追加なしで4匹で終了。
桟橋への帰路。妻1号がちょっと凹んでいるように見えたので「懲りましたか?」と聞いてみた。「アジが釣れているときにまた挑戦する」とのこと。タナが低くなっている(特に速潮時)。コマセを振り出したあとラインスラッグが出てしまっておりあれではコマセと仕掛けが同調しない。魚信の後竿を動かしてしまっているので口の硬いところに掛からないなどなど、説明した方がよいことはたくさんあるのだが……次回釣行から少しずつ伝えていきたい。
著者: へた釣り