妻1号は根拠のない自信に満ち溢れた人である。釣りに関しても自分のことを名人だと思っている節があった。でも、東京湾デビュー戦でアジ4匹と大惨敗。LTアジ釣りでは先輩である子供2号に「ドンマイ」と笑われ、「10月にも三連休あるね♪」と言いだす。妻1号は猛烈な負けず嫌いでもある。
妻1号のLTアジ釣りの何が悪いのかは横で見ていたので分かっている。問題は何から教えればよいか。一度にあれもこれもでは混乱するし釣りが楽しくなくなる。まず目指すは船中「中の下」だとすると、コマセを振り出してタナを合わせたら20秒は動かないってことかな? へた釣りも待つのが苦手で誘ったり、掛けにいったりしていたが、「待ち方が悪い!!」と指摘され、20秒は動かないと決めてから釣果が安定するようになった。
次はタナの合わせ方。アジ釣りのタナ合わせは慌てずに正確にでいいと思う。子供たちに教えた方法は仕掛けが着底したらすぐに2メートル巻き上げる。斜めになっていたラインがまっすぐに近くなるまで我慢してもう一度ビシを底まで落として1メートル巻き上げてコマセを振る、もう50センチ巻き上げてもう1回コマセを振る、最後に50センチ巻いて待つ。タナの指示が2.5メートルなら最初に巻き上げるのを1.5メートルにする。タナ合わせは慌てる必要はないが、コマセを振り始めたらなるべく素早く2回振ってタナに仕掛けを持って行くことを意識する。
子供たちがLTアジ釣りを始めたのは小学生のときで力があまり強くなかったのでコマセの振りだし方はもう少し強くてもという感じだったが、妻1号は力まかせにビシを振る。頭上まで竿を振り上げリールを巻かずに竿先を下げるもんだからラインにたるみが出てしまっている。こういうコマセの振り方をする人は妻以外にも船上で見かけるが釣果はよくない。海中でビシが上がって下がってとなっているので仕掛けが海中で張っておらず、コマセと仕掛けは同調しない。竿先を下げた位置から水平までビシッと振り、ビシを動かさないことを意識して竿先を下げながらリールを巻ければ釣っている姿はビギナーではなくなる。
著者: へた釣り