どれを食っても絶品なハタ科の中にあってアラやクエなどの超高級魚ではなく、ちょっと頑張れば食べられる高級魚として関西で人気なのがキジハタだ。お魚自慢のお店の店頭の生け簀で客寄せに泳いでいたりする。東京湾でも釣れるようになったとは知っていたが自分の竿に掛かるとは!!
大阪ではキジハタという標準和名よりもアコウの方が通りがよい。夏のアコウは食感優先で〆てすぐのものを薄造りにして食べることが多いが、次にいつ釣れてくれるか分からない魚なのでゆっくり熟成させてその旨みを存分に味わうことに。3日寝かせて一切れ食べてみたがまだ物足りなかったので5日寝かせてお刺身に。50センチまで育つ魚で30センチでは脂の乗りに不安はあったが、ハタ類らしい歯を押し返すようなぷりぷりの食感とともに上品な脂の甘みがしっかり長い時間味わえる。わさびとの相性が抜群でわさびを少し多めに箸先に付けて身をつまみほんの少しだけお醤油を付けて食べると満点のお味である。頭は塩焼きにしたが頭頂部のとろりとした身は絶対に捨ててはいけない。大好物のメバルの煮付けが霞むほどに美味かった。
著者: へた釣り