テレビで占いコーナーが始まるとチャンネルを変える。すごくツイている日もすごくツイていない日もそうそうあるもんじゃない。でも今日は本当にツイてなかった。電車の故障で昼飯抜き、もらった魚で指負傷して、上潮激速で大苦戦、1つだけいいことがあって、最後に偏光グラスが破損。
宇佐美へのプチ遠征では港入口の東屋で海を見ながら駅前で買ったお弁当を食べるのを楽しみにしている。その分時間に余裕を持って家を出る。順調に国府津駅までたどり着き、ダイヤ調整のためか長めに駅に停車した。扉が開けっ放しで寒い。少しの我慢だろうと思っていたが…一向に扉が閉まる気配がなく「車両点検中」とのアナウンス。30分くらい放置されて後からやったきた熱海行きに乗り換える。出船時間には間に合いそうだが昼食を摂る時間はない。宇佐美・治久丸は午前はアカムツで出船していた。船長が船から持って降りてきたバケツにはカゴカマスが。普段は他人が釣った魚はもらわないが船長に「魚を大切にする人には魚が釣れますよ~」と言われてもらわないのは験が悪い。1匹もらうことに。クーラーにしまうとき指を歯に当ててしまい結構な出血……この辺りで今日はすごくツイていない日かも…と思い始める。
ポイントはいつも通り初島沖の水深95メートル前後。ハリス分底を切って8メートルまでシャクるという指示だった。最近、オキアミで順調に釣れているようなので、ウィリー4本針+オキアミ装餌用の空針1本の仕掛けで釣り始める。潮が相当速くFLビシ80号だとラインに角度がついてしまい、重くってシャクルのに一苦労。ビシは早い段階でちびライト80号に換えた。オキアミを使っているので餌が外れたりずれたりしないようにややソフトにシャクるが全く魚が触れてくる気配がなく2時間経過。ようやく全くやる気を感じない魚信があってカガミダイ。
続く一投で今度はシャクった穂先をグンッと引き込むいい魚信あり。2時間の苦労が報われ今度はカイワリだろうと食わせた瞬間ガッツポーズまでしてしまったが、巻き始めると重量感がありすぎるし引きにシャープさがない。チダイだった。その後またも長い沈黙。オキアミで釣れるんならオキアミを3粒付けているほかの人が釣っているはず。ウィリー4本+土佐カブラに仕掛けを換えるとすぐにカイワリ?な魚信。慎重に巻いてきたのだが残り30メートルでふっと軽くなる。バレたのではなく土佐カブラの穴を結び目が通ってしまい抜け落ちた。なんでぇ~~~~~な展開。
へた釣りに限ればかもしれないが、オキアミを気遣ってソフトにシャクるよりもキビキビ速くシャクった方が魚信を出せた。シャクった直後に一度弾いてから竿に重みが乗った。この魚信の出方は絶対にチダイ。カイワリが釣れているときは有難みがない魚だが、ちゃんとファイトしてくれるので今日に限ればうれしい。シャクってチダイが釣れているならコマセと仕掛けは同調しているはず。そのうちカイワリだって食ってくるはず…と信じてシャクリ続けたが…またも長~い沈黙。シャクリの強さやスティ時間などできる工夫はしてみたがオキアミもウィリーも土佐カブラもカイワリには全く見向きもされていない。万策尽きた感じだ。
できることはやっている。あとはもう人智の及ばない領域。潮が緩むか、カイワリの食いが急に立つかしてくれないと…どうにかなる気がしない。諦めだけは悪いので頑張ってシャクる。冬場は日没が終了時間だ。太陽の位置を確認しながら焦りだす。潮は緩むどころかさらに速くなっているし……。船長も諦めていない。反応が切れるとすぐに船を流し直してくれる。そしてとうとう「これが最後の流し」との告知。本命ボウズを覚悟する。心は諦めても体は諦めずに動く。4シャクリ目だから底から5メートルでシャクった穂先が戻ってこない魚信!! 絶対カイワリ! 超がつくほど慎重にやり取りして抜けるサイズなのにタモですくってギリギリボウズ回避。土佐カブラに食ってきた。たったの1匹だけど今日あった唯一のいいこと。下船後、偏光グラスを外そうとすると蝶番部がポッキリ。悪いことは次から次へと起きる。ハードラックな1日だった。
著者: へた釣り