9年ぶりのシロギス1日船に鮫洲・和彦丸から。和彦丸の増尾船長は自身もシロギス釣りの名手で、釣りを始めたころに手ほどきをしてもらった。教えてもらった通りにはやらない(やれない)ためあまり上達せずに現在に至ってはいるが…キス天食べ放題という目標通りに釣らせてもらえた。
最近、釣りに行くときは始発電車でという習慣ができているので、鮫洲から7時半の出船なのに2時間も前に和彦丸の船着き場に到着してしまう。先客は左舷大艫に一人いるだけで、席は選び放題。好きなのは舳だが、船長にどっちがいい?と聞くと「今日は後ろの方に下がっていくので艫からポイントに入る」と教えてもらう。右舷大艫に釣り座を決める。出船までたたっぷり時間があるのでゆっくり準備。少しずつ釣り座が埋まっていき、右舷は6人となった。となりとの間隔が十分あるので、2本竿を出すことに。竿2本ビデオ2台だと忙しすぎるので、カメラは1台だけにした。
準備中に増尾船長から「これ使ってみてください」と手渡されたのが船長愛用の天秤と船宿仕掛けだった。天秤はキス・カレイ専用の夢の天秤。食い込みがよく仕掛けの絡みも少ないんだそうだ。仕掛けは船長のこだわりが詰まった物らしく、「針は流線7号で全長80センチ、ハリス・幹糸は1号のフロロ、装飾は一切なし」。この組み合わせなら間違いないとのことで、和彦丸(増尾船長)スペシャル仕様でキス天食べ放題(シロギス50匹)という目標に挑むことに。ポイントは木更津沖8メートル。効果はすぐに現れた。軽くキャストして引いてくると、明確な魚信があり、シロギスのダブルでスタート。
和彦丸(増尾船長)スペシャルがハマったのか、シロギスの活性がすごくよいポイントにあたったのか、あるいはその両方のおかげなのか、キャストすれば魚信あり、船下で誘えば魚信ありで、針掛かりさせたらすぐには巻き上げずにダブルになるのを狙うなんてことも。竿2本に同時に魚信が出ることも何度かあって絶好調。一流し目で釣ったシロギスを移動中にクーラーに移しながら数えると13匹。二流し目も絶好調を維持したままで12匹。船下狙いの竿は底トントンではなく10センチくらい天秤を浮かせておくと20センチ超えの良型が混じりやすことに気づいてキャストの竿は数狙い、船下竿は型狙いにしてみる。天ぷらで食べる予定なので良型は必要ないのだが…抵抗が激しく釣って楽しい。
三流し目から少し魚信が出るペースが落ち始める。それでもポチポチとは釣れてくれてはいるが。潮が緩み始めて絶好調ではなくなった?と感じていると、増尾船長も竿を出して釣り始めた。魚信そんなに頻繁には出なくなったなと感じているすぐ2メートルほど横で、入れ食いペースで釣っていた。天秤と仕掛けは一緒…竿やリールは貸し竿用の物なのでへた釣りの使っている物の方が上等…なのにこの差は……超人さん相手だと無様と感じるほどに釣り負けるのがシロギス釣りだと思い知る。船長の誘いを真似してみたが、そういう付け焼刃的な方法で埋まる差ではないようだった。
潮止まりの時間帯は魚信はあるけど掛からずで苦しみ。やっと潮が動き始めてシロギスの活性が上がってきたかもという手応えを感じ始めると、今度は風が強くなってきて釣りづらくなってしまう。パラシュートアンカーで流して釣るのではなく、エンジン流しでの釣りに。キャストミスでラインが切れてしまったのを機に、1本竿で丁寧に誘うようにしたら、これが正解だったようで、終了間際まで魚信を出せた。ペースダウンが激しかったので目標の50匹には届かなかったと思い込んでいたが、クーラーから魚を出して数えてみると58匹いた。ドヤッとまではいかないがにんまりとはできる釣果である。桟橋で船長から「束狙うなら9月・10月が狙い目ですよ~」とお誘いいただく。束は無理でも自己最多(67匹)の更新を狙ってみるかな。
著者: へた釣り