水深が20メートルにも満たない場所でも海底の様子を察知することができないへた釣りに水深400メートルを超えた深場のキンメダイが釣れるのか? 結果だけを書くとお目当てサイズのデラキンメはゲットできた。でも、海面下で何が起きていたのかはさっぱり分からず謎が深まる。
深場の勇者様が新島キンメデビューをエスコートしてくださるということで、前日夕方に下田入りして一泊。午前2時に番匠高宮丸を目指す。須崎港に到着してみるとまだ真っ暗だった。今回はタックル一式&仕掛け(餌付き)を全部船宿で用意してもらったので荷物はクーラーとハサミやグローブのみ。出船前に女将さんから仕掛けの接続の仕方やリールの使い方をレクチャーしていただく。貸し竿はDEEPZONE GS 300-205&COMMAND Z-9Sだった。右舷に8人の満船で、へた釣りの釣り座は「そこが一番他の人の迷惑にならない」(勇者様)という理由で大艫に。
ちょうど日が昇るタイミングで新島沖のポイントに到着する。投入は舳からなので一番最後。投入に自信がなかったので頭の中で何度もシミュレーションした。投入シーンの動画をいくつも見た。容易くできる気になっていたが、いきなりの失敗。4、5本針が出たあとで仕掛けが絡んでしまう。勇者様に絡んだままの仕掛けを海中に叩きこんでもらって、なんとかパス1回だけは回避する。スプールの上の黒い箱に糸が絡まないように左手でガードしてバックラッシュしないように右手をスプールに添えて落としていく。ラインは430メートル出た。そこから竿先がおじぎしたらおじぎした分ラインを出していく。ラインにテンションがかかるとなんだか竿先がクンクンと動いているような動いていないような……。
580メートルくらいまでラインを出したら巻き上げ準備のために捨て糸が切れない程度にドラグを締めてという指示が出る。巻き上げは艫から。「後ろから巻いちゃって」という合図があって巻き上げボタンを押す。捨て糸が切れた? 勇者様より「530メートルになったら教えて」という指示。仕掛けが絡まないように間隔を開けて巻き上げるものらしい。巻き上げ中もときどきクンクンと引いている気がする。オモリは切れたかも? 魚が付いているかも?……全部…かも?と疑問符付き。何一つ自信を持てない状態でも魚は釣れるときは釣れる。絡むのを回避できた下から2番目の針に大きなキンメダイ。人生最大サイズを一投目で呆気なく大幅に更新できた。特大ではないのだろうが、俺にとってはデラックスなので目標のデラキンメのゲットに成功。勇者様はこの流しで5匹ゲットしていた。仕掛けが絡まなければもう少し釣れた?
仕掛けさえトラブルなく投入できれば美味しい新島キンメを大漁できるかも? クーラーの大きさ間に合うかな? なんてことを考えながら2投目の準備。投入準備を終えてから一投目の仕掛けを処理してデラキンメをクーラーに仕舞う。2投目は仕掛け投入に成功し、今度は多点掛けをと意気込むも……なにも起きず。続く3投目も卦もなし。4投目もなにも起きずで暗雲。5投目は投入が早かったようで勇者様とオマツリ。投入作業の最後で輪ゴムを外すのに少し時間がかかるのでその分早く投入してみようという工夫が裏目に出た。周りに迷惑がかかるのでなにもアレンジしてはいけない釣りなんだと思い知る。オマツリしながらも小型(といっても30センチはある)キンメをゲットし2匹目。
オモリが着底したら竿先がまったくおじぎしない状態を維持して糸をスルスルと送り出すと船長から指示される。ときどき魚が付いているかみようと竿をおじぎさせてクンクンしてないか見ようとすると「魚信を見ないで」とマイクで注意された。雑念を捨てて竿先がおじぎしないように糸を送り出していく。6投目は竿先に違和感があるような…ないような? 巻き上げると竿が曲がっているが捨て糸が切れたような…オモリが付いたままのような。何も分からないままだが2匹目より少しだけサイズアップした3匹目をゲットする。7投目、8投目と投入はトラブルなく行えるようになり、巻き上げの手順も覚えた。竿先がおじぎしないようにラインを出していくこともできるようになったが、7投目、8投目は何事もなく。新島キンメ初挑戦は終了。下船後測ってみると、デラキンメはちょうど2キロだった。
著者: へた釣り