緊急事態宣言が解除されたら行くと決めていた宇佐美・治久丸へのカイワリプチ遠征。釣況がよくないことは薄々気づいていたが、想定よりも厳しかった。特にウィリーには超塩対応で、船長から「ウィリーにこだわってますかぁ…」と言われてしまう。あわや本命ボウズでヒリヒリしたよ~。
前回宇佐美にカイワリを釣りに行ったのは、6月下旬に東京都に緊急事態宣言が解除されてまん延防止等重点措置になったときだから、3カ月以上、実に105日ぶりの伊豆の海。10月に入り東京にはない秋の気配を感じることができるかな?と思っていたが……暑い。ラッシュガードにTシャツを重ね着していたが、あまりの暑さにTシャツを脱ぎ、日焼け止めクリームをたっぷり顔に塗ってから釣りの準備。Nob名人も来ていたので、釣況を聞くと「潮が澄んでいて厳しい」とのこと。船長も「(港内の海面を指して)せめてこのくらいの色だったらね~」。それでも、宇佐美まで来たのだからなんとかなると…信じていた。
ポイントはカイワリ釣りの主戦場である初島沖の水深90メートルくらいへ。カイワリ用のウィリー4本針+オキアミを装餌する空針1本の仕掛けを付けて、ビシを投入するとすぐになるほどこれは厳しいかもと気づく。海中に沈んでいく黄色いビシが15メートル以上、20メートル近くまで視認できる。釣りに適した潮色は細濁りといわれるが、全く濁りなし。こういう極端な潮のときはだいたい苦戦する。50センチ刻みで底3メートルから10メートルまで14回シャクる。3往復してビシにコマセが少し残るようにビシの上窓を調整する。極小の魚信がすぐにあった。巻き上げると5本針に4匹のアカアジ。針掛かりするとデタラメな方向に泳ぐ魚なので仕掛けをグチャグチャにされる。
アカアジはウィリーに恐ろしく反応のよい魚のようで、シャクれば魚信ってくる。1匹付いたらすぐに巻き上げれば仕掛けをグチャグチャにはされないが水深90メートルでこんな小魚1匹で巻き上げるのは癪。結局、仕掛けを3組ダメにされてポイント移動。少し南に移動し水深が100~125メートルくらいの深めのポイントを点々を攻める。我慢の時間が続く。ウィリーに魚が触れてくる気配は全くない。唯一感じることができる生体反応は底を取り直したときに掛かるヒメだけ。ヒメよりいくらかはっきり出たキダイの魚信がうれしく感じるのであるから末期的な状況である。
深場のポイントを諦めて最初に攻めた初島沖へと戻ってくる。何も起きずに時間だけが過ぎていく。釣り始めて既に4時間。その間、一度としてまともな魚信がないのであるから荒むなという方が無理である。17時少し前にシャクった直後にエサを食い損ねた魚の手応え。シャクるのを止めて食わせの間を作ると食い込んだ。こういう魚信の出方をするのはたぶんチダイ。この日初めてのいい引きをする魚だったのでゆっくり手巻きで楽しむ。予想通り30センチくらいのチダイだった。スマートな体形で…産卵後?
チダイを釣った前後から船中散発的にではあるがカイワリが釣れるようになった。魚信はオキアミに偏っているらしく船長から「へた釣りさんはウィリー? エサの人が10も獲れればウィリーでもいいと思うけど…」と指導されてしまう。そう言われてもカイワリとイサキはウィリーで釣る方が楽しいので空針仕掛けは用意してないし用意する気もない。残り時間20分を切った。夕マズメになり偏光グラス越しだとラインのマークが見えづらくなった。釣れそうな雰囲気は出てきた。休まずシャクり続けると……5シャクリ目だから底から5.5メートルでシャクった直後に穂先をキュンと持っていく。引きはカイワリっぽいが…重量感がありすぎる。無理せずゆっくりとやり取りし、海面にひし形の銀色のシルエットを2つ確認。横の人にタモ取りしてもらう。27センチと23センチのカイワリ一荷。オレンジと白のウィリーに食ってきた。105日ぶりの伊豆である…本命ボウズ回避できてよかったぁぁああああ。
著者: へた釣り