もっと秋が深まってからがシーズンだったんじゃ?という不安はあったが、2021年のアマダイを開幕させる。吹き流しの仕掛けで底付近を探る釣りはアマダイだけでなく、オニカサゴもマゴチも苦手だが、アマダイなら本命は不発でもオキアミエサなので魚信は多いしなにかはお土産になる。
どうも天気が安定しない。羽田・かみやからアマダイ釣りに行くと決めた日曜日は小雨予報から曇り予報になり再び小雨予報に。朝起きて玄関を出ると傘なしで出かける気にはならない程度には降っている。風まで結構強い。剣崎沖で北風7メートルくらいまでの予報だったが、都心で5、6メートルは吹いていた。荒れたら嫌だなとは思うが、だから釣りを取りやめるという発想はない。予約したから船が出船するなら行く。桟橋に着くと「随分久しぶりですね」と何人かに言われた。8月頭にLT深場五目でお邪魔しているのだが……。
船は1時間と少し走って富浦沖へ。移動中は雨は収まっていたが、ポイントに近づくとともに雨足が強くなり、後頭部に打ち付ける雨粒が痛いと感じほどの土砂降りに。水深は90メートルくらい。底から2.5メートルを50センチ刻みで20秒ずつ食わせの間を作りながら探る。上まで誘いきったら1メートルストンと落して誘い下げる。一投目から魚信はあった。魚信ははっきり出たのでアマダイっぽいが重量感はない。ポニョだからノーカンかなと思っていたら背後から船長が「22センチ以上はセーフ」。測ってみると23センチ。とりあえず本命ゲットで一安心。
ゲスト含め活性がよいというわけではない上に、二枚潮で極めて釣りにくい。何度かエサに魚が触れてくる気配はあったが、針が大きすぎるのか、竿を動かしすぎているからかちっとも針掛かりせずに時間が過ぎていく。二匹目の魚は1匹目を釣ってから1時間半以上経ってから。これまた22センチでギリギリノーカンにならないアマダイ。針はマダイ針の8号を使っていたが、針掛かりせずエサだけ取られるのに飽きて7号に落すと、本日初のゲストでカナド、すぐに二目目のゲストでソコイトヨリ。
キダイやトラギス、エソまで釣れたが肝心のアマダイは20センチ以下のノーカンポニョを1匹追加しただけ。このままポニョ数匹お持ち帰りで終わっちゃうかもと不安を覚え始めていると、底でフワリと仕掛けを持ち上げたと同時に竿に重みが乗る。竿を持ち上げると暴れる手応えありで「よっしゃ~サイズアップ♪」と宣告して巻き始める。巻き上げ中は船長もアマダイっぽいと認めてくれていたが、残り5メートルになっても暴れ続けて…あららとなる。横に走る銀色のシルエット。サバだった。本命だと信じて疑ってなかったのにがっかりする釣り人をぬか喜びさせるブランド魚よっしゃサバである。クーラーの中の身の量が寂しかったので持ち帰ってよっしゃサバのきずしでもと一瞬考えたが痩せてこそいないがでっぷり脂ノリノリという雰囲気ではなかったのでリリース。
サバを釣った次の投入で、同じようなタナでフワリと仕掛けを持ち上げた直後に魚信があった。コツンという手応えとともに明確に穂先を引き込んだ。今度こそアマダイかもと思ったが…先ほどサバで大騒ぎしているので、サイズアップ宣告は自粛してこっそり巻き上げる。これが本日唯一のアマダイらしいサイズのアマダイ。34センチあった。ラスト間際のこのポイントだけ釣り方がマッチしたようで、次の一投ではオニカサゴ(25センチあるかないか微妙だったのでリリース)、さらに次の一投で23センチ、ということは本日のレギュラーサイズのアマダイを追加する。もう1匹くらい30センチ超えのが欲しいなと最後まで諦めずに誘い続けたがキダイと戯れただけで沖上がりの時間に。
著者: へた釣り